2023.06.03 12:30

日本から3時間、中国の「水の都」杭州で美食と茶道体験

鈴木 奈央
締めくくりには、摘み立ての芽を一葉だけ浮かべた、冷たい龍井茶で、軽い食語感をもたらす。

茶摘みや茶道体験も

龍井茶は中国八大銘茶としても知られ、その中心地である龍井村は、ホテルから車で15分ほど。春の新茶の時期には茶摘み体験のアレンジもしてもらえる。龍井村は、干ばつの時にも祈ると雨が降り、水が湧き出たことから、水の神である龍が住むとされた井戸・龍井にちなむ地名。

浙江省で産出された茶は龍井茶と呼ぶことができるが、中でも、龍井村を含めた西湖周辺でつくられているものは、西湖龍井と呼ばれ、最高級のものとして知られている。

日本の茶道は宋の時代に生み出された中国茶道が日本に伝わり、独自の発展を遂げたものだが、今の日本の茶道の原型を感じる中国茶道の体験も、宿泊者限定ながら、ホテル内で行うことができる。

ここの中国茶道では、粉末にした茶葉を使い、日本の抹茶と同じように茶筅で点てていただく。抹茶のような緑茶ではなく、白茶を使い、茶碗になみなみと注いでしっかりと泡立てるのも印象的だった。

窯変の玉虫色が美しい茶碗に注がれた茶は、日本の抹茶に比べると苦味が控えめ。「日本の茶道は様式を大切にするが、中国茶道は、コミュニケーションツールとしての意味あいが強く、楽しく話をしながら飲む」のだという。

 日本との文化的な関わりも深い杭州。歴史遺産も多く、コロナ後の中国旅の目的地としても良さそうだ。

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