エンジニアのための耐磁ウォッチとして生まれたIWC「インヂュニア」は、今年の新作として「インヂュニア・オートマティック 40」が発売されたことによって、過去のモデルにも注目が高まっている。そこでIWCはミュージアム級の歴史的モデルを集めた特別なイベントの開催を決定。しかもその一部を購入できるというから驚きだ。
耐磁時計×天才デザイナー=世紀の傑作
機械式時計にとって、磁気は大敵である。時計を動かすムーブメントには多くの鉄製パーツが使用されているので、強い磁気に曝されるとパーツが磁化して正しく動かなくなるのだ。特に放射線や電気関係の仕事をしているエンジニアは、仕事現場が強い磁気を発する場所であるため、常にこの時計の磁気帯びに悩まされてきた。そこで生まれたのが、磁気を通さない軟鉄でインナーケースを作り、ムーブメントをカバーする耐磁時計。IWCでは1955年に「インヂュニア」をリリース。IWCのエンジニアリングの象徴となった。特に1976年に誕生した「Ref.1832 インジュニアSL」は、時計界のピカソと称された天才デザイナーのジェラルド・ジェンタがデザインしたとあって、非常に高い評価を受けている。
インヂュニアの進化は、歴史の積み重ね
今年はこのRef.1832のデザインコードを継承しながら、慎重にアップデートした「インヂュニア・オートマティック40」がリリースされたことで、オリジンへの注目はさらに高まっている状況だ。そんな折、過去のインヂュニアの傑作たちを一堂に会する限定イベント「インジュニア・ヴィンテージ・ウォッチ」が開催される。会場は、6月5日から7日が「IWC 新宿ブティック」で、6月9日から11日までが「IWC大阪うめだ阪急ブティック」。展示されるのは伝説の始まりとなった1976年製の「Ref.1832 インヂュニアSL」と、そのゴールドモデルとして55本のみ製造された1978年製の「Ref.9232 インヂュニアSL」。コンビケースの1980年製「Ref.3303 インヂュニアSL」、防水性と耐磁性を備えた唯一の懐中時計である1983年製「Ref5215 インヂュニアポケットウォッチ」、耐磁性能をアップした1989年製の「Ref.IW350808 インヂュニア 500000 A/M」、そして34㎜モデルの1985年製「Ref.IW350611 インヂュニアSL」など、ミュージアムピース級の傑作が勢ぞろい。さらに2000年代以降の現代版インヂュニアも含め、合計9モデルが用意され、耐磁時計インヂュニアの進化の過程を知ることができる。