ミュージアムピースを手に入れるチャンス
もちろんこれだけでも希少な体験なのだが、このイベントには更なる驚きがある。なんと展示されるモデルの内4モデルが、IWCでメンテナンスされ、2年間の品質保証をつけて販売される。これはブランド初の試みだ。販売モデルと価格は以下の通りで、傑作「Ref.1832 インヂュニアSL」が49000ユーロ、ゴールドの「Ref.9232 インヂュニアSL」が69000ユーロ、唯一無二の「Ref.5215 インヂュニアポケットウォッチ」が12900ユーロ、そして強化耐磁の「Ref.IW350808 インヂュニア 500000 A/M」が19900ユーロとなる。
購入希望者はブティックで申し込むだけ。スイスのIWC本社での選考の上、購入者を決定する。販売本数は各モデル1~2本なのでかなり狭き門だが、ヴィンテージウォッチ市場でもほぼ入手困難なモデルである上に、品質の高さやメンテナンス体制の充実、保証などを考えると、チャレンジする価値は大いにあるだろう。
インヂュニアは1955年に生まれた耐磁時計のパイオニアであり、エンジニアリング面でも時計史に残る傑作である。さらに1976年以降は天才ジェラルド・ジェンタがデザインしたという逸話が加わり、そのポジションを揺るぎなきものとした。
優れた機能性だけでは物足りないし、デザインだけでも満足できない。機能とデザインがクロスオーバーしたインヂュニアは、知るほどに魅了されていく時計だ。しかもそんな傑作たちを手に入れられる可能性あることを考えると、このイベントに行かない理由はどこにもない。
右/1976年に誕生した「Ref.1832 インヂュニアSL」。80000A/ⅿの耐磁性能を持ち、ケース径は40㎜で厚みは12㎜。その堂々たるサイズ感から、“ジャンボ”と呼ばれた。ねじ込み式のケースバックなので、防水性能は12気圧を確保。ベゼルの5つのくぼみは締め込み機具をひっかけるためにある。
左/1989年に誕生した「Ref.IW350808 インヂュニア 500000A/m」。ヒゲゼンマイの素材にニオブ・ジルコニウム合金を使用することで、インナーケース不要で高い耐磁性能を実現。3700000A/mの磁力にも耐えることを実験で確証したが、控えめに“500000A/m”と命名。ケース径は34㎜と、かなり小ぶりだ。
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0120-05-1868