地政学や地経学変化をもたらす革新的なグリーンエネルギー企業6社

安井克至
3017

3R cycle(3Rサイクル)

フィンランドに本拠を置く3Rサイクルは、レアアース素材産業に革命を起こそうとしている。同社が特許を保有する化学的ソリューションは、鉱石や廃棄された電化製品から、容易かつ安全にレアアース素材の大部分を回収できる。この技術により、レアアース素材に依存する多くのグリーン技術の発展が促され、また労働者の健康を守ることにもつながるだろう。

さらにこの技術は、採掘から製品の製造まで、レアアース素材のサプライチェーン全体のローカルな垂直統合を促進するだろう。同社の技術が普及すれば、素材製造企業は、精製企業や消費企業と比べて、これまでにない相対的優位に立ち、こうした区分が無意味になる可能性さえある。加えて、中国による業界の独占状態が打破されることも確実だ。

KLAW Industries(KLAWインダストリーズ)

KLAWインダストリーズは、「 都市は、熱を保持する舗装のせいで暑くなりすぎ、人々の健康を損ない、汚染を悪化させている」「 道路やそこに使われるセメントは極めてCO2排出量が多く、環境負荷が高い」「毎年数百万トンのガラスが廃棄されている」という3つの問題を同時に解決しようと取り組んでいる。

同社のソリューションは、熱を反射する白い舗装道路で都市の温度を下げ、さらにその舗装には、砂利とリサイクルしたガラスの破片を使うというものだ。将来的に、もし同社が道路舗装に、Platio Solar(プラティオ・ソーラー)がスペイン・カタルーニャ地方のバルセロナで導入したような光起電性能をもたせるか、あるいは、イスラエルの企業Electreon Wireless(エレクトレオン・ワイヤレス)が米デトロイトの舗装で実施しているようなワイヤレス充電機能を搭載すれば、道路革命はさらに進展するだろう。

複数の環境問題に対するエレガントな解決策のように思えるが、大規模化、メンテナンス、コストの面で課題が残されており、全面的な普及には至っていない。

これらの新興企業は、単なる株式購入の狙い目ではない。統計的に言えば、こうした企業のほとんどは「次なるテスラ」にはなれないだろう。むしろ、こうした企業の存在は、これらの成長するビジネスを、投資家が広く組織的なかたちで受け入れており、現代の投資に特有な新興技術に対する熱狂が広く存在していることの証左だ。

何よりも重要なのは、これらの企業がいずれも、私たちの暮らしを変貌させ、地球をよりクリーンで安全で健康的な場所にする技術の実用化に取り組んでいるということだ。

forbes.com 原文

翻訳=的場知之/ガリレオ

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