4年ぶりとなる「行動制限がないノーマスクの夏」について意見を求めたところ、26.4%の医師が「大いに賛成である」と回答。「どちらかというと賛成である」(41%)と合わせて、賛成派が約7割を占める結果に。反対派は、2割弱となった(大いに反対5.3%、どちらかというと反対14.6%)。
賛成派の医師からは、「脱水症のリスクを考慮すると、外すことをベースにして良いと思う」(70代以上/一般内科/勤務医[診療所・クリニック])、「コロナ感染をコントロールすること自体がもはや難しそうであること。一人ひとりにコロナに対する意識が醸成されるには十分な時間が経過しており、以降は個々の判断に委ねても良いと思われるため」(40代/一般内科/勤務医[大学病院以外の病院])といった声が。
一方で、反対派の医師からは「外来にて、ゴールデンウィークから発熱患者のコロナ陽性率が急増しており、次の波が既に始まっている感覚を受けるため(30代/リウマチ科/勤務医[非常勤のみ])」、「感染者数が明らかに増加している一方、感染症病床は減っている」(40代/救急科/フリーランス)、「また新しい感染症が流行した場合に、大騒ぎになることが予想されるから。標準予防策としてマスクはしたほうがいいと思う」といった意見が寄せられた。
また、移動が活発になることが予想される夏休み期間中などの旅行や帰省については、最多が「適切な対策を実施すれば問題ない」で66.7%。「対策なしであっても問題ない」(21.3%)と合計で、約9割の医師が問題ないと答えた。
具合的に「適切な対策」としては、「マスク着用が効果的である場面での着用」(233)が最も多く、「手洗い」(229)、「換気」(217)、「3密(密接・密集・密閉)の回避」(187)の順に。
行動制限がなくなる今夏に患者数が増えると思う疾患・症状については、最多が「新型コロナウイルス」と「ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱(夏風邪)」(いずれも305)で並び、次いで「熱中症」(120)、「海水浴やプールなどでの水の事故」(112)、「夏バテ」(72)が続いた。
理由としては、「色々な制限があった環境下で、体力や感染症に対する抵抗力が落ちてしまっていることが影響すると思う」(60代/健診・ドック/勤務医[健診施設や老健など])などと、長引いた自粛生活によって体力や抵抗力の低下を懸念する回答が散見された。
久しぶりにやって来る行動制限とマスクがない夏。長かった我慢の日々から開放され、ついはしゃぎ過ぎてしまう人たちもいるだろう。しかしそんな時は適切な対策ができているか、今一度、冷静になって考えてみたいものだ。
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