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2023.05.30

「ChatGPTを転職の応募書類に利用」企業の7割が選考に影響なし

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ChatGPTの利用は、転職活動でも広まっている。転職エージェントのワークポートが4月に実施した調査では、ビジネスパーソンのChatGPT利用率は4割を超え、うち31%が転職活動に利用したと回答。ChatGPTは転職活動において、主に応募書類の作成や情報収集に用いられているようだが、企業側はそうした状況をどう捉えているのだろうか。

ワークポートは新たに5月9日〜16日、同社の人材紹介サービス利用企業の人事担当者139名を対象に、転職活動におけるChatGPT利用の印象について調査を実施。もし候補者がChatGPTを使って選考書類を作成していた場合、採用意欲に影響はあるかを尋ねると、7割超(75.5%)が「変わらない」と回答した。一方で、「採用意欲が下がる」の回答は約2割(22.3%)にとどまり、「採用意欲が上がる」と答えた担当者も2.2%存在した。

採用意欲が変わらない理由としては、「当人が記載する・しない問わず、履歴書などには大げさな記載もあり、それも含めて面接を通じて確認するから」(機械メーカー)、「ChatGPTを使っているとバレバレな履歴書であればNGだが、うまく取り入れているならばむしろ能力が高いとも判断できる。素晴らしい履歴書、職務経歴書でも、嘘であれば面接時にボロが出るから」(サービス・アミューズメント)といった声が。選考における最初の判断材料として応募書類は大切だと捉えているものの、最終的には面接を重視して選考を行う企業が多いことがうかがえた。

一方で、採用意欲が下がる理由については、「自身の考えを自分の言葉で表現できないのでは?と考えてしまうため」(機械メーカー)、「素の人物像が見えない恐れがあると感じてしまうから」(建築・土木・設計)、「本気度が理解しがたいため」(技術サービス)など、応募者の文章力や思考力、意欲を疑う内容が目立った。

続けて採用意欲が下がると答えた人事担当者に、選考過程で候補者のChatGPT利用を禁止する予定があるかを聞くと、「禁止しない」企業が約7割(71%)を占める結果に。応募書類の作成にChatGPTを使うことに否定的な印象を抱きつつも、大半の企業が利用を受け入れる姿勢を見せた。

同社はChatGPT時代の転職・採用活動について、「便利なツールが日々輩出されている時代だからこそ、人も企業もそれらのツールをどのように取り入れ、活用していくのか、その都度慎重に模索していく必要があるのではないでしょうか」と課題を提起した。

プレスリリース

文 = 大柏真佑実

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