彼女は現在、イスラエルのスタートアップBotikaが開発した生成AI(人工知能)を活用したファッションモデルのサービスを検討中だ。
Botikaは、AIで生成したファッションモデルを月額15ドルで提供するサービスで、Shopifyでのサービス開始に向けたウェイティングリストでは、すでに1000人以上の顧客が待機中という。「当社のプラットフォームを利用する起業家は、これまで自分で服を着て写真を撮影した後に、顔を切り抜いていた人たちだ」と同社のCEOのEran Daganは説明した。
Botikaは、ファッション系フリマアプリのPoshmarkやDepopの売り手からも興味を持たれているという。
この分野のもう1つの企業のLalalandも、ここ最近、中小のビジネスからの需要で業績を伸ばしたと述べている。同社の共同創業者でCEOのマイケル・マサンドゥは、この8カ月で事業が大幅に回復し、売上が8倍から9倍に伸びたと述べた。
Lalalandのサービスを利用する、ECサイト「Blissfully Brand」のオーナーのジェイコブ・フローレス(50)は、月額300ドルを支払い50枚の画像を入手している。彼は、同社のライブラリからモデルを選び、自身がデザインした服を着せてサイトにアップしている。
フローレンスは以前、年に4回の撮影を行い、数人のモデルに900ドルを支払い、2時間で可能な限り多くの写真を撮っていたという。しかし、今はビーチや街で行う撮影を年に1、2回に減らしている。また、AIはソーシャルメディアに掲載する広告の制作にも役立ち、特定のターゲットに合わせた画像を提供できると彼は話した。
AIの使用を開示すべきか?
一方、買い物客たちは、サイトに掲載された服のモデルが人間なのか、AIが生成したイメージなのかを見分けることが難しい。この問題は、一部で認識されてはいるが、開示に関する明確なルールは存在しない。TikTokは、クリエイターが生成AIを使う場合に、それを開示するためのツールを開発中だと報じられている。カリフォルニア大学サンディエゴ校でAIの倫理的問題を研究するデビッド・ダンクス教授は「AIが生成した実存する人物に見える写真を掲載する場合、それがコンピュータで生成されたものであることを開示すべきだ」と述べている。
カリフォルニア州の起業家のポーターも、この疑問と格闘していると話す。「私たちはAIのモデルを使う場合に、顧客にそれを知らせるべきなのだろうか?」と彼女はいう。彼女の友人たちはAIを恐れているようで、AIがモデルたちを失業させると彼女に話したという。
(forbes.com 原文)