ミシガン州ディアボーンに本社を置くフォードのジム・ファーレイCEOは5月25日、同社のEVピックアップトラックであるF-150ライトニングや、スポーツカーのマスタング・マッハE、Eトランジット・バンのオーナーが、2024年からテスラの充電ネットワークを利用可能になると発表した。これにより、既存のフォードの充電ネットワークと比較して、2倍以上の充電器へのアクセスが可能になる。
ファーレイは、25日にTwitterスペースでイーロン・マスクと対談し「これは自動車業界とすべてのEVユーザーにとって巨大な動きになる」と述べた。フォードのEVにテスラが開発したアダプターを取り付けることで、テスラのスーパーチャージャー3で充電が可能になる。また2025年以降は、アダプターなしで直接スーパーチャージャーに接続できる仕様のEVを投入する計画だ。
「当社のEVの顧客は、あなたの会社ほど多くはないが、それでも多くの顧客を抱えている」と、ファーレイはマスクに述べた。
フォードとの契約は、テスラがより多くの追加収入を得るための試みの一環だと考えられる。テスラは2月に、少なくとも7500台の充電器を、競合他社に開放し、2030年までにすべてのメーカーのEVに対応する充電ステーションを50万台に増やすというバイデン政権の目標を支援すると述べていた。
テスラの顧客は、1キロワットあたり25〜50セントを支払い、スーパーチャージャーを利用している。ファーレイとマスクは、フォードの顧客がテスラの充電ステーションを利用する際の費用については言及しなかった。
テスラは、同社の顧客のみが利用できるEV充電器を全世界で4万台以上設置し、そのうち1万7000台を米国内に置いている。フォードは、同社のBlueOval Charge Networkが北米で最大の公共充電ネットワークで、8万4000台以上の充電器を設置済みだと述べている。同社のディーラーは、来年までにさらに1800台のDC急速充電器とロケーションを追加する予定という。
(forbes.com 原文)