フランスの法律では、「シャンパン」の名称はシャンパーニュ地方のスパークリングワインにのみに使用しなければいけないと定められている。フランス北部ルアーブル港で押収された飲料の容器には「クーロンヌ・フルーツシャンパン」と表示されていたが、出荷元はハイチで、仏国内で販売するために輸出されていたという。
「クーロンヌ・フルーツシャンパン」は2021年10月に最初に押収されていた。同製品を巡っては、仏パリ司法裁判所が昨年10月、シャンパンの保護原産地呼称(PDO)を侵害する可能性があると判断し、破棄を命じた。
シャンパンの名称に関する規則は、フランスの法的規制である原産地呼称(AOC)に基づいている。シャンパンの生産者組合によると、シャンパンという名称の使用について、世界121カ国以上がAOCの規則に従っている。フランス税関は、偽の食品やアルコール飲料が市場に出回らないようにするための取り組みを行っており、2021年だけで20万517点の模倣品を市場から取り下げた。
ベルギー当局は先月、缶に表示されている「ビールのシャンパン」という宣伝文句が保護呼称を侵害しているとして、米国産ビール「ミラー・ハイライフ」2000本以上を廃棄した。
欧州連合(EU)が生産地に基づいて保護している商品はシャンパンだけではない。イタリアのパルメザンチーズや英国のスティルトンブルーチーズなど、欧州各地のチーズも同様の規則で保護されている。ギリシャのフェタチーズも20年以上前から保護対象で、「フェタ」と表示するためにはギリシャ産であることが条件となっている。
(forbes.com 原文)