健康

2023.05.28

コロナ禍で激増、うつ病経験者が過去最高に 米国

Getty Images

米国の成人のうち、うつ病と診断された経験がある人が過去最高の約30%にのぼったとする調査結果が、ギャラップにより発表された。

同社が17日に公開した最新調査のデータと分析によれば、うつ病と診断されたことがあると回答した米国の成人は29%で、2015年の19.6%から10ポイント近く上昇した。

調査は米国の成人5100人余りを対象に、2023年2月21~28日に実施。医療機関からうつ病の宣告を受けた経験があるか、過去にうつ病の治療を受けたことがあるか、もしくは現在治療を受けているかを聞いた。

その結果、現時点でうつ病である、またはうつ病の治療を受けている人は17.8%となった。ギャラップが現在のデータ集計方法によってうつ病の調査を開始した2015年には、この割合は10.5%だった。

米国では最近、医療保険会社や、バイデン政権、医療関係者の間で、従来の医学的治療と行動療法を一体化させた「全人的治療」への関心が高まっている。ギャラップの調査では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を受け、うつ病治療の取り組みの切迫度が増していることが示唆された。

ギャラップは「米国では、コロナのパンデミック前にうつ病がゆるやかに増加していたが、パンデミック後に急増した」と分析。「社会的孤立、孤独、感染の不安、精神的な疲弊(とりわけ医療従事者などの最前線の対応者に多い)、薬物乱用の増加、医療サービスの混乱が要因になっていると考えられる」としている。

うつ病患者の割合がとりわけ急速に上昇しているのは、女性、若年成人、黒人、ヒスパニック系だという。「いまや女性の3分の1以上(36.7%)が、人生のある時点でうつ病と診断されたことがあると回答している。それに対して、男性は20.4%だった」(ギャラップ)

forbes.com 原文

翻訳=梅田智世/ガリレオ・編集=遠藤宗生

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