ドイツのゴーストレストランLANCHに著名人が期待する理由

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ドイツのゴーストレストランとフードデリバリーのスタートアップ企業LANCHは、サッカー界のスターのマリオ・ゲッツェらの支援を受けて、プレシードラウンドで250万ユーロ(約3億7000万円)を調達した。

ベルリンを拠点とする同社は、フードデリバリーのためのプラットフォームを構築しており、ドイツ人ラッパーのLucianoやTV司会者のイェンス・クノッサラ、ユーチューバーのTrymacs、元ドイツ代表サッカー選手のアンドレ・シュールレなどの著名人からの出資を獲得した。

昨年末に設立されたばかりのLANCHは、ベンチャーキャピタルのHV Capitalに加え、フードデリバリー大手のGorillasと長距離バス業界のユニコーンのFlixBuxの創業者からの支援も受けている。

LANCHはレストランと提携し、クリエイターが考案したメニューをフードデリバリーで届けている。同社は、アーティストやクリエイターのフードブランドを構築し、彼らのファンにアピールしている。

LANCHはすでに、クノッサラやTrymacs と組んでHappy Sliceというピザブランドを立ち上げた。「当社は、フードブランドのオペレーションやデリバリーを自社で行い、調理は外部のレストランに依頼している」とLANCHの広報担当者は述べている。

同社は売上の10〜14%程度の金額を自社の収益としている。LANCHは現在ドイツ国内に70以上の拠点を持ち、次はラッパーのLucianoと組んだチキンブランドの立ち上げを予定している。

同社のCOOのジョナス・メイナートは「当社はクリエイターとの密接な関係を利用して、既存のゴーストレストランよりも効率的に新規顧客を獲得している。各ブランドは限定ファンイベントなどを用意し、活発なコミュニティを作り出している」と述べている。

メイナートは、以前にゴーストレストランのスタートアップHonest Foodを設立し、デリバリーヒーローに売却したケビン・コック(Kevin Kock)らとともにLANCHを立ち上げた。

同社は現在、ドイツ国内でのみ事業を展開しているが、国外のクリエイターともパートナーシップを結んでいる。LANCHに出資したFlixBusの創業者のJochen Engertは、次のように述べている。

「私がこの会社に投資したのは、彼らのチームが将来的にメインストリームのブランド作り出すと確信しているからだ。クリエイターと彼らのファンとの密接な関係は、LANCHに巨大な付加価値を与えている」

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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