ケータハム「セブン」のEV版が公開、レース対応の急速充電機能とは

プレスリリースより

徹底したライトウエイト・スポーツカー「セブン」シリーズで知られるイギリスのスポーツカーメーカー、ケータハムは、電気自動車(EV)版セブンのコンセプトカーを公開しました。0-60mph(停止状態から時速96キロメートルに達するまでの時間)が4秒、最高速度時速209キロメートル(どちらも予想値)という性能を誇りますが、まだ市販はしないそうです。そこには、もっと突き詰めなければならない同社のこだわりがありました。

セブンは、週末になると洒落た初老の紳士が一人で乗り回しているというイメージの、人や物を運ぶための自動車というよりは、完全に乗って楽しむためだけの2人乗りのスポーツカーです。現在日本で販売されているセブンの上位モデル「480S」は、2000ccのエンジンを搭載し、車体重量はわずか525キログラム。最高速度は時速225キロメートル、停止状態から時速100キロメートに達するまでの時間はわzか3.4秒という怪物です。ちなみにお値段は屋根もエアコンも付いてないのに1000万円オーバー。非常にストイックな車です。
SEVEN 480S(ケータハムカーズ・ジャパン公式ホームページより)

SEVEN 480S(ケータハムカーズ・ジャパン公式ホームページより)


そのEV版の特徴は、サーキットでのレースにも対応できる急速充電機能。20分フルスピードで走り、15分で充電して、また20分走るという20-15-20サーキット走行を可能にするために、バッテリー全体を液体に浸して冷却する水冷方式で劣化を防いでいます。それでも、重量は現在市販されているエンジン車のセブンから70キログラムほどしか増えておらず、700キログラムを切っています。

しかし、ケータハムのCEO、ボブ・レイシュリー氏は、EVセブンをこのまま販売する予定はないとしています。「このプロジェクトの主な目的は、従来のセブンに比べて乗客一人分の重量差しかない車両を開発することです。1トンのセブンを発売することは決してありませんし、むしろやりたくありません」と、さらなる軽量化への強いこだわりを見せています。それでこそケータハム。販売時期は「次世代のバッテリー技術が可能にする将来の適切なタイミング」になると話しています。

またケータハムは、セブンシリーズではない新しいEVを今年中に発表する予定です。Fenyr Supersport(W Morters)のデザインを手がけ、新たにチーフデザイナーに就任したアンソニー・ジャナレリ氏が担当するそのEVは、いったいどんなモンスターになるのでしょうか。
Fenyr Supersport(W Mortors公式ホームページより)

Fenyr Supersport(W Mortors公式ホームページより)


プレスリリース

文 = 金井哲夫

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