北米

2023.05.25

アマゾン配達員が集団訴訟、「飲料ボトルに排尿」を強制された

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アマゾンの配達ドライバー3人が、仕事中にトイレに立ち寄ることを禁止する「非人道的な」労働条件に直面したとして、同社に対する集団訴訟を提起した。

5月22日にデンバーの州裁判所に提出されたこの訴訟は、アマゾンの過酷な労働条件が、配達ドライバーにトラック内でペットボトルに排尿することを強制し、トイレに行かせないことで、「深刻な健康上のリスクをもたらす危険がある」と主張している。

原告の3人のドライバーは、アマゾンの過酷な労働ノルマと監視により、ドライバーが配送ルートを外れてトイレに行くことはほぼ不可能だと主張している。

訴状によると、アマゾンの配送センターでは、ドライバーが持ち込む尿が入ったペットボトルでゴミ箱が溢れかえる事態が頻繁に起きているという。このような状況は、コロラド州の複数の法に違反していると原告らは述べている。

また、女性ドライバーの1人は、ペットボトルに排尿することができず、配送ルートから外れてトイレを探したことで、上司から叱責を受けたと主張している。

英国のジャーナリストのジェームズ・ブラッドワースは、2018年の著書の『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した(Hired:Six Months Undercover in Low-Wage Britain)』で、アマゾンの配送ドライバーが厳しいスケジュールを守るため、ペットボトルに排尿していると書いた。アマゾンは当初、これが事実ではないと否定していたが、2021年4月に「そうせざるを得ない場合もある」と認め、誤って否定してしまったことを謝罪した。

The Interceptがその当時報じた社内文書によると、アマゾンの経営陣は、トラック内や配送センターで尿の入ったボトルが頻繁に目撃されていることを認識していたという。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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