ここ数カ月間、JunoCamは放射線とオーバーヒートによるトラブルに悩まされてきたが、今回で3回続けて問題なくフライバイで撮影を行なうことができた。
また今回は、2016年以来木星を周回しているジュノーにとって、51回目の「perijove(ペリジョウブ)」(最接近フライバイ)で、表面から3400kmまで近づけた。
ジュノーは周回を繰り返す中で、2022年に地球外生命を探す宇宙生物学者のターゲットである衛星、エウロパと、2021年には水星よりも大きい衛星ガニメデにも接近フライバイを行った(カリストロはまだだが、いずれ順番が回ってくる)。今年4月、欧州宇宙機関の新たなミッションJUICEの探査機が打ち上げられ、2034年から9カ月間ガニメデを周回し、地球以外の衛星を周回する初の宇宙船になる予定だ。
しかし、イオとのもっと近くでの遭遇が待っている。「7月と10月に予定しているフライバイではさらに接近し、2023年12月と2024年2月のイオとのフライバイでは地表から1500km以内を飛びます」とボルトンはいう。「いずれのフライバイでも、この驚くべき衛星で起きている火山活動の目を見張るような光景を見せてくれるでしょう。データは驚くべきものになるはずです」
現在ジュノーは38日ごとに木星を周回しているが、今回と7月31日のイオとのフライバイを終えた後、周期は32日に固定される。
ジュノーには、木星の内部やオーロラを観測し、惑星の起源、構造、大気、磁気圏などについて深く学ぶためのさまざまな測定機器が搭載されている。
次のジュノーの仕事は木星の薄い輪を調べることだ。「連続的に軌道を変化させることによって木星をさまざまな視点から観測し、惑星の夜側を低空飛行することに加えて、ジュノーは木星の輪のいくつかを探索して、その起源と組成を研究するという難題に挑みます」とジュノーのプロジェクト・マネージャー代理でNASAジェット推進研究所のマシュー・ジョンソンは語った。
(forbes.com 原文)