フランス、短距離便を禁止 鉄道で代替可能な国内線対象

Getty Images

フランスで23日、首都パリ南部にあるオルリー空港と同国西部ナント、南東部リヨン、南西部ボルドーの3都市を結ぶ短距離航空便を禁止する新法が成立した。

新法は、鉄道で2時間半以内の代替移動手段がある場合、飛行機の国内線を禁止できるようにするもの。3年後に今回の措置が成功したと判断されれば、飛行禁止路線が追加されることになる。欧州連合(EU)の欧州委員会は昨年12月、同法を承認していた。

クレマン・ボーヌ運輸相は「私たちが生活の脱炭素化に向けて絶えず戦う中、鉄道による定期的で迅速かつ効率的な接続の恩恵を受けている大都市間を飛行機で移動するなど、正当化できるだろうか」と疑問を投げ掛けた。新法について、「これは温室効果ガス削減政策に欠くことのできない一歩であり、強い象徴となる」と強調した。

欧州では、EUの道路・鉄道網整備計画「欧州横断輸送ネットワーク(TEN-T)」の一環である新たな高速鉄道が開通することにより、多くの短距離航空便が不要になる見通しだ。現在、イタリアのミラノからフランスのパリまでは列車で7時間以上かかるが、両国国境のアルプス山脈に建設中の全長約58キロのモンスニ基底トンネルが開通すると、所要時間が半分に短縮される。EUの統計によると、欧州で最も利用者の多い航空路線20本のうち17本は約700キロ未満で、これは列車の方が高速かつ環境に優しく、持続可能な移動となる距離だ。

フランス議会が2年前、パリ・オルリー空港から3都市への便を廃止することを提案した際、全仏空港連合会と国際空港評議会欧州支部は反発。欧州委員会による調査が行われたが、計画には問題がないと判断された。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事