3つめは「透明性と管理」にかかわることだ。iPhoneなど端末上ではユーザーの健康データが現在どのアプリにひも付けられ、使われているか「ヘルスケア」アプリから確認できる。
ユーザーが自身の健康状態を家族や友人に常に知らせることができるように「ヘルスケア共有」の機能もiOS 15以降から導入されている。ユーザーが意志を持って、内容と共有する相手を決めたデータの他は、アップルを含む何者もヘルスケアのデータにアクセスできない堅牢なセキュリティ技術によってユーザーのプライバシーは守られる。これがHealthKitにおける4つめの大切なルールだ。
ユーザーがアプリから選択した項目ごとにデータの書き込み・読み出しの許可を与えられる。ヘルスケア共有の機能もiOS 15から追加された
ユーザーが自らプライバシー保護を強化できるシンプルな手段がある
アップルは、iPhoneやApple Watchのデバイスやサービスのセキュリティを強化しながら、同時にサードパーティーが同社のOSに独自のアプリストアを開設したり、ウェブページなどを経由してアプリをダウンロードできるサイドローディングを今日まで制限してきた。また、デベロッパが開発するアプリはアップルのエキスパートによる審査を経てApp Storeに公開される「App Store Review」というシステムが存在する。ゆえにiPhoneやApple Watchで使えるヘルスケア・フィットネスのアプリは安全と受けとめることもできるのだが、ユーザー自身が安全なアプリだけを選んで、端末にインストールして使うという心がけも本来は大切だ。
App Storeでアプリを配信するすべてのデベロッパは、アップルが定める「Privacy Nutrition Labels(プライバシーラベル)」と呼ばれるフォーマットに従って、自社が開発したアプリのプライバシーポリシーを表記する義務を負っている。このルールはアップルの純正アプリにも適用される。