茶色の毛をした13歳の雄猫ヤング・ベルは毎日、自宅から近所のヘクサム総合病院まで通っている。4年以上前から続く日課で、今や病院の公式マスコットとして院内で患者を出迎えている。地元の人々によると、その穏やかな性格は、患者に大きな癒やしを与えているという。
看護師のジェーン・ファーガソンは、BBCの取材に「病院を訪れる患者さんは、とても不安で心配になっている。かなり弱気になっている人もいるだろう。ヤングは出会う人すべてに落ち着きと安らぎを与えてくれる」と語った。
町議会のスザンヌ・フェアネスエイトケン議員も、「ヤングは、どんな人にもかまってくれる。何年にもわたり、人々を幸せな気持ちにさせている。メンタルヘルスの問題を抱えた人に対しても、患者を見舞う家族が相手でも、ヤングは寄り添ってくれる」と絶賛する。
アリソン・スミス議員は、ヤングを「わが町の愛すべき小さな人気者」と呼び、「誰もが知っていて、とてもかわいがられている。その功績を少しでも認めて、感謝を伝えたかった」と表彰理由を説明した。
地元紙ニューカッスル・クロニクルによれば、飼い主のグリニス・ベルにとって表彰は思いがけない出来事だった。「町議会から電話がきて表彰状と町の鍵を贈りたいと言われるまで、何も知らなかった」。ヤングの病院通いは当初、必ずしも歓迎されていなかったという。
しかし、ヤングの粘り強さはついに報われた。「最初は受け入れてもらえなかったこの子が、こうして認めてもらえたのは、とてもうれしい。以前は病院の周りを猫がうろつくのを嫌がる人が多かったけれど、今は病院だけでなく町議会も評価してくれている」とベルは話している。
ヘクサム町議会はヤングについて、「病院を訪れる人々を毎日歓迎し、自分を誰が必要としているかもわかっているようだ」「町の一員としての栄誉を贈呈でき、うれしく思う」とソーシャルメディアで発表。「あなたは間違いなく、この町で一番の猫だ!」とたたえた。
ヤングの功績が認められたのは、これが初めてではない。昨年、英国の動物愛護団体PDSAが、ヤングの地域社会への貢献を表彰している。
当時、PDSAのレベッカ・バッキンガムは「ヤングが地域社会を支えるため行ってきた並外れた活動」を賞賛。その存在は「多くの人々にとって最もつらい時に差し込む一筋の光」であり、「ほぼ毎日、ヘクサム総合病院の患者、来院者、スタッフに何より必要な慰めとなっている」「新型コロナウイルス感染症のパンデミックに際しての貢献は、出会った人々から大いに感謝された」として、「動物が私たちの生活にもたらす比類のない献身と豊かさ」をたたえる賞に「まさにふさわしい」と語っていた。
(forbes.com 原文)