最近公開された、英コメディアンのアダム・バクストンがホストを務めるポッドキャストで、ハンクスは次のように述べた。「現時点であり得る正真正銘の可能性は、私がその気になれば、自分がずっと32歳のまま主演する全7本のシリーズ映画を提案できるということだ」
ハンクスはさらに、AI生成されたドッペルゲンガーはやがて本物とほとんど見分けがつかなくなるだろうとの見方を示した。
「今や誰でも、AIやディープフェイク技術を使って、任意の年齢の自分自身を再現できるようになった。私は明日バスに轢かれて終わりかもしれないが、俳優としてはいつまでも出演し続けることが可能だ。それがAIやディープフェイクによって作られたものだと知らなければ、私本人でないとはまったくわからないだろう」
『フォレスト・ガンプ/一期一会 』『グリーンマイル』『トイ・ストーリー』などでのハンクスの記憶に残る象徴的な演技を称賛する人々にとって、このインタビューはハリウッドの憂鬱な未来を感じさせる内容だった。
トム・ハンクスのAIへの理解は正しいのか
近い将来、本人の生死を問わず俳優のデジタルクローンがエンターテインメント業界中に散乱することになる可能性について、ハンクスの指摘は正しい。実際、すでにそうなりつつある。ロシアの携帯電話会社MegaFon(メガフォン)が国内で放映したCMに、ブルース・ウィリスの「デジタルツイン」が登場した話は有名だ。1955年に亡くなったジェームズ・ディーンは、ベトナム戦争を題材にした小説『ファインディング・ジャック』の映画化でデジタル化され銀幕に復帰すると発表されたが、映画ファンや俳優たちの反発を招き、報道によればこの企画は中止された。『キャプテン・アメリカ』主演のクリス・エヴァンスと『ロード・オブ・ザ・リング』主演のイライジャ・ウッドは、ともにこのプロジェクトへの嫌悪感をツイートしている。