中国の国家インターネット情報弁公室は5月21日、国内で販売されたマイクロン製品の「ネットワーク・セキュリティ・レビュー」を実施した結果、この決定に至ったと述べている。
同局は、マイクロン製品に「深刻なセキュリティ上の問題」が見つかり、中国の情報インフラのサプライチェーンに大きなリスクをもたらし、国家の安全保障に影響を与える可能性があると主張した。規制当局は、国内の重要な情報インフラの運営者に対し、マイクロン製品の購入中止を命じたが、すでにマイクロン製チップを使用中の機器をどう扱うかは不明だ。
マイクロンはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材に、今回の決定を評価中だと述べ「中国当局との協議を続けたい」と述べている。
マイクロンの決算報告書によると、2022年に中国で発生した同社の収益は33億ドル(約4550億円)だった。これは同社の年間総収入307億5000万ドルの11%近くを占め、中国は米国と台湾に次ぐ同社にとって3番目に大きな市場となっている。
米国商務省は公式声明の中で、中国の決定を次のように非難した。「我々は、根拠のない規制に断固反対する。今回の中国当局の措置は、他の米国企業に対する最近の強制捜査や敵視と並ぶもので、市場を開放し、透明な規制の枠組みを約束するという彼らの主張と矛盾している」
米国と中国の間で続いている外交上の衝突は、半導体やテクノロジー分野にもますます波及している。米国とその同盟国は、輸出規制や経済制裁によって、中国が先進的なチップやチップの製造技術にアクセスすることを制限しようとしてきた。アナリストは、こうした規制が、中国独自の先進的なチップや人工知能(AI)ツールの開発を著しく遅らせる可能性があると指摘している。
(forbes.com 原文)