LGBTQを広告起用するナイキやアディダスに米右派から怒りの声

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先日は、米国のビール大手アンハイザー・ブッシュブが「バドライト」の広告にトランスジェンダー女性のディラン・マルベイニーを起用して保守派の怒りを買ったが、同様の非難は他の企業の広告キャンペーンにも向けられ、これらの企業に「woke(ウォーク)」と呼ばれるエリート主義のレッテルを貼って、ボイコットを呼びかける事態に発展している。
 
バドライトは4月にTikTokで1000万人のフォロワーを持つトランス女性のマルベイニーをプロモーションに起用した後に不買運動と売上の減少に直面し、右派のミュージシャンのキッド・ロックやトラヴィス・トリットなどからの批判を浴びた。
 
トリットや他の右派の著名人はさらに、ジャックダニエルがドラァグクイーンを起用した2年前の広告をやり玉に挙げた。一方、ナイキもマルベイニーをレギンスやスポーツブラのモデルに起用したことで、五輪の出場経験を持つ元女子競泳選手のシャロン・デイビーズらに非難された。
 
デイビーズは、トランス女性がスポーツに参加することをたびたび批判しており、同様な広告キャンペーンを行ったアディダスを非難し、#AdidasHatesWomenというハッシュタグをツイートした。
 
スターバックスも先日、インドで、父親がトランスジェンダーの娘と和解する姿を描いた広告キャンペーンを立ち上げ、保守系作家のベン・シャピーロなどからの批判を集めた。また、自動車業界ではフォードが、2年前にレインボーカラーに塗装したピックアップトラックをプロモーションに用いていたことを、保守派のコメンテーターのデイヴ・ルービンらに非難されている。
 
一方、SNSユーザーの中には、右派のボイコットの試みを嘲笑する者もいる。バドライトの不買運動で、一部の人々は未開封のバドライトの缶をゴミ箱に捨てる動画を投稿したが、他のユーザーは彼らがビールを購入し、バドライトに資金を提供していると指摘した。
 
また、保守系作家のシャピーロは「スターバックスは、インドにトランスジェンダーを輸出している」と非難したが、これに対し一部の人々は、インドには何千年も前から「ヒジュラ」と呼ばれる第三の性を持つ人々が存在し、差別を受けていると指摘した。
 
forbes.com 原文

編集=上田裕資

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