ディズニーは2021年、フロリダ州オレンジ郡に新社屋を建設する計画を発表。カリフォルニア州の従業員1000人以上を新社屋に移し、計2000人の雇用をフロリダ州にもたらす見通しだった。
だが同社はその後、フロリダ州でLGBTなど性的少数者に関する教育を禁じる新法、通称「ゲイというな」法が成立したことをめぐり、州当局と対立するようになった。同社はこれまで、ウォルト・ディズニー・ワールドのある同州オーランドの特別区での自治を認められていたが、デサンティスはこの特別区を管轄する役員会を自らの管理下に置き、同社の意思決定権を制限した。
ディズニーはこれを受けて先月、フロリダ州当局を提訴。デサンティスの行為は、州法を批判したことに対する「報復」だと非難した。
同社は新社屋計画の中止理由について「このプロジェクトの発表後に起きた、新たなリーダーシップや、変容を続ける環境を含む大きな変化」を挙げたが、デサンティスとの対立には直接言及していない。
デサンティスは19日、ニューハンプシャー州を訪問した際にディズニーの発表について問われると、同社の自治を許すことは「良い政策」ではなく、自由市場経済にも反するとの見解を改めて表明。「(ディズニーは)好きにすればよい」とし「こちらが譲歩する可能性はゼロだ」と宣言した。
デサンティスは今週、2024年米大統領選への出馬に向けた手続きを正式に開始する見通しだと報じられている。共和党の候補指名を争うことになるドナルド・トランプ前大統領は、ディズニーの発表に即座に飛びつき、デサンティスの行動によりフロリダ州は数千人の雇用を失ったと批判した。
(forbes.com 原文)