2023.05.21 12:00

BMW i7は世界で最も優れた電気自動車だけど……。


さらに、Amazon Fire TVの機能を搭載しているため、ゲームやNetflixやYouTubeなどの人気アプリを使った番組や映画の視聴が可能で、オンボード5G接続を利用した圧倒的な美しさに驚く。

一方、サウンドトラックは、ヘッドフォンまたはBowers and Wilkins Diamond Surround Sound Systemで再生される。4Dオーディオ、36スピーカー、1,965ワット、ヘッドレスト一体型サラウンド・サウンド・スピーカーを備えたこのシステムは、間違いなく車内で最高の体験を提供する。これは動くミニシアターと呼んでもいいかもしれない。低音質のラジオやiTunesの楽曲でも、深み、透明感、ディテールが際立つオーディオをきっと楽しめる。

iシリーズの大型一枚パネルとシンプルで高貴な印象のインテリア。

iシリーズの大型一枚パネルとシンプルで高貴な印象のインテリア。

後部シートは文句なしの広さ。

後部シートは文句なしの広さ。


ところが、後部席(運転席もそう!)に乗るのに、電動ドアのため、ボタンを押さない限り、ドアを開けられない。最初は「凄い!」と思うけど、10回ぐらい乗り降りしていると、めんどくさくなる。シートに座ったまま、ドアの「展開」ボタンを押して、ドア内のモーターが動き出して、ドアが開く。これで、このクルマは究極へのEV車のような存在だと思った。

電動ドアと大型スクリーンは技術的には素晴らしいし、友達に見せると自慢話ができるけど、しばらくすると飽きてくる。ボタンを押すとドアが電動で開く冷蔵庫を想像してみて欲しい。最初のうちは「オー!」と感動するけど、少し経ったら自分でササッと開けたくならないか?

この究極のBMWは、技術的なショーケースとしては最高で、高級車としては姉妹会社のロールスロイスに勝るとも劣らず、EVとしては未来のショーケースとして説得力がある。ただ、その顔だけ何とかして欲しかった。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

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