教育

2023.05.20 09:00

YouTubeが9歳児に銃乱射事件の動画をレコメンド、NPOが非難

shutterstock

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ユーチューブの動画のレコメンドのアルゴリズムが、子どもたちを銃や学校での銃乱射事件の動画に誘導していることが明るみに出た。
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同社のエンジニアリング担当副社長Cristos Goodrowは2021年に「責任あるレコメンデーションを最優先している」と述べ、ユーチューブのアルゴリズムが視聴者を過激なコンテンツに誘導することはないと述べていた。しかし、非営利組織(NPO)の Campaign for Accountabilityの透明性プロジェクトによると、これは事実ではないという。

研究チームは、9歳の少年2人と14歳の少年2人を装った4つのアカウントを作成し、アカウントごとに異なるゲーム動画のプレイリストを作成した。低年齢のアカウントでは、Robloxやレゴ・スター・ウォーズなど、高年齢のアカウントでは『グランド・セフト・オート』やその他のシューティング系のゲームの動画を含めていた。

研究者はその後、ユーチューブがレコメンドする動画をログに記録し、分析した。その結果、4人全員に銃撃や武器に関するコンテンツがプッシュされたことが判明した。
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「ユーチューブは、銃乱射事件を賛美する動画を子どもたちに見せている。これは、ビッグテックのアルゴリズムが、エンゲージメントを追求するために、最悪のコンテンツを子どもたちに押し付ける最新の事例だ」とCampaign for Accountabilityのエグゼクティブディレクターのマイケル・カッパースミスは述べている。

ユーチューブはこれに対し、同社が厳格な管理プロセスを導入しており「研究者の活動は現実のユーザーの行動を正確に反映しない可能性がある」と声明で述べた。

レコメンドされた動画には、学校での銃乱射事件やその他の大量殺戮事件、銃が人体に与えるダメージの大きさを示す生々しい映像、拳銃を完全自動小銃に改造するためのハウツーガイドなどが含まれていた。「ユーチューブは、連続殺人犯のジェフリー・ダーマーの人生を描いたR指定の映画まで、子どもたちのアカウントに繰り返しプッシュしていた」と研究者は述べている。

「暴力的なビデオゲームと銃乱射事件との関連は、実証されてはいないが、そのようなコンテンツは長年、非難されている。しかし、ユーチューブのアルゴリズムは、銃乱射事件の犯人の若年化が進む中で、9歳の少年に銃の使用を美化する動画を薦めることに熱心なようだ」とカッパースミスは述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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