暗号資産

2023.05.20 08:30

人口80万人のブータンがビットコインの採掘に乗り出す理由

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ブータン政府は、ブロックチェーンへの関心を公言しており、2021年には国際送金サービスを手がけるリップルと組んで「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」を試験的に導入していた。しかし、暗号資産への投資は、そのほとんどが秘密にされてきた。Druk社は以前のフォーブスの取材に、破綻したBlockFiへの投資について「守秘義務があるため」コメントできないと述べていた。

ブータンのマイニングは持続可能か?

ビットコインのマイニングは、ビットメインやナスダックに上場するカナン(Canaan)のような中国企業の特殊なチップに頼ることが多く、産業化が進んでいる。これらのマイニング機器は、エネルギーを大量に消費する巨大なデータセンターに集約される場合が多い。
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中国は2021年に暗号資産に関連する事業活動を禁止し、カザフスタンやスウェーデンもビットコインの採掘を制限したり課税したりする動きを進めているため、多くの事業者は安い電力源を持つ新たな場所を探す必要に迫られている。

「ブータンでビットコインを採掘する事業者がいても不思議ではない。この山岳国は、その小さな人口に比べて巨大な水力発電能力を持ち、1人当たりの発電量は、はるかに裕福な国である米国と同程度だ」と、LuxorのビットコインマイニングのアナリストのJaran Mellerudは述べている。

「割安な電力をビットコインに変えることを唯一の仕事とするマイナーにとって、この安価な水力発電は間違いなく魅力的だ」
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この問題に詳しい情報筋はフォーブスの取材に、パンデミックがきっかけでブータン政府の高官がビットコインのマイニングの関係者と協議を始めたと語っている。ブータンは、新型コロナウイルスから国民を守るため、約2年間にわたり国境を封鎖した。その結果、現在までのこのウイルスによる死者は21人にとどまっているが、経済の中心である観光産業は壊滅的な打撃を受けた。

一方、一部のアナリストからは、ブータンが大規模なマイニング事業に適しているかどうかを懸念する声があがっている。同国は年間発電量の約75%をインドに輸出しているが、冬の乾季には河川の水量が減少するため、インドからエネルギーを逆輸入している。

アムステルダム自由大学の経済学研究者で、暗号資産に特化したブログ「Digiconomist」の創設者であるアレックス・デ・ブリース(Alex de Vries)は、このような期間にマイニング事業者はかなりの損失を被ることになると述べている。

「長期間停止すると、投資額を回収できなくなる恐れがある。稼働しないことは、収入がなくなることを意味する」と彼は述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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