ニューヨーク市公立学校のデビッド・バンクス理事長は18日、教育ニュースサイトChalkbeatの論説でこの動きを発表し、彼らのAIに対する警戒心は正当なものだったが「学校システムは現在、この新たなテクノロジーのパワーとリスクを調査し、検討している」と説明した。
学校システムは、AI導入の成功事例とリソースを教育者に提供し、管理業務やコミュニケーション、指導方法の改善に役立てようとしているとバンクス理事長は述べている。
マンハッタン区長のマーク・レヴィーンはツイッターでこの動きを称賛し、今回のポリシーの変更が、生徒と教師らが「画期的なテクノロジー」について学ぶことを奨励し「来るべき新しい世界に向けて若者を準備させることにつながる」と述べている。
全米最大の学区であるニューヨーク市公立学校が1月にChatGPTを禁止した際、ニューヨーク市教育局のジェナ・ライル副報道官は声明の中で、このツールは「批判的思考と問題解決能力の育成に役立たない」と述べ、カンニングへの懸念を指摘した。
同様の懸念は、教育関係者や全米の他の学校システムの間にも広がった。ソーシャルメディアでは、OpenAIのような高度に進化したAIツールが、生徒の不正行為や課題の回避に利用される可能性があるとの指摘が相次いだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記者も今年初め、ChatGPTに高校の課題の上級英語エッセイの執筆を依頼し、AIが人間そっくりの文章を書き上げることを証明した。
ChatGPTは800語のエッセイを数秒で作成し、ミスもほとんどなかった。このような経験から、バージニア州のフェアファックス郡公立学校やシアトル公立学校、ロサンゼルス統一学区など、他の多くの大規模学区でもこのツールの使用を禁止している。
ニューヨークの公立学校がChatGPTを禁止したニュースが発表された1月に、OpenAIは、彼らのツールで生成されたエキストを検知する従来の盗作チェッカーと同様のサービスを提供する方法を模索中だと述べていた。同社は、ワシントン・ポストに対し、このツールが学校で間違った目的に使われるのではなく「生徒や教師が人工知能の恩恵を受けられるようにしたい」と語っていた。
(forbes.com 原文)