この、太陽に照らされていない月面の微かな光は「地球照」と呼ばれ、太陽光が地球に反射して月を照らしているものだ。
来週は、その最も明るく最も美しい姿をみるのに最適な時だ。
日本時間5月20日土曜日に新月を迎え、その後の数日間(まだ太陽の輝きの中にいる5月21日を除く)の三日月は常にこの微かな光を見せる。
「地球照」を見られるのが、細い三日月の時に限られるのには理由が2つある。
・新月の直前、最中および直後は月から見て「満地球」になるため、地球は受け取った太陽光の輝きをすべて月面に反射する
・人間の目は、月が細い三日月でいる間は、最も明るいところと最も暗いところのダイナミックレンジを堪能できるが、一度上弦の月になり、太陽光の50%を反射するるようになると、そのまぶしさによって地球照を見ることが困難になる
「地球照」はなぜ起こるのか?
「地球照(earthlight)」は、地球の海と氷に反射した太陽光によって起きる。NASAによると、4月から6月の間にもっとも明るくなる。他に「earthshine(地球の輝き)」「Planetshine(惑星の輝き)」あるいは15世紀に初めてこの現象を説明した人物にちなんで「Da Vinci glow(ダ・ヴィンチの光)」とも呼ばれるこの毎月の景色は、日没の後に見ることができる。
「地球照」を見るべき日時は以下の通りだ。
5月22日月曜日の日の入り後
日の入り(東京では18時44分)の後に北西の空を見ると、非常に細い輝面比3%の三日月が地平線低くに見える。これは1週間の中で最も見るのが難しい「地球照」だが、最も満足度の高いものになる可能性が高い。その上には非常に明るい金星が、その向こうにはずっと暗い火星がある。
5月23日火曜日の日の入り後
今夜の日没後に北西方向を見ると、輝面比14%の三日月と金星が大接近(視野角約3度)しているところが見える。「地球照」もよく見えるはずだ。5月24水曜日の日没後
この日、21%を照らされた三日月が、今度は火星と接近する。ふたご座で最も明るい恒星であるポルックスも近くに見える。この頃の「地球照」はすばらしいが、翌日以降は、明るく輝く三日月の光に圧倒されて見えなくなっていく。「地球照」を見る方法
晴れた空なら、肉眼で月を見るだけで「地球照」をかなりはっきり見ることができる。しかし、どんな倍率のものでもいいので双眼鏡があったら覗いてみてほしい。月の暗くなった縁で、クレーターが不気味な光に照らされているところのすばらしいクローズアップが見えるはずだ。(forbes.com 原文)