同社が、展開する派遣求人サイト「エン派遣」に掲載された全職種における募集時の求人情報を分析したところ、4月度の三大都市圏(関東・東海・関西)で派遣社員の平均時給は1653円。前年同月比で+42円と大幅に上昇し、過去最高レベルの水準に達していることが明らかになった。
IT系では航空券や旅券の他、様々なイベントチケットのオンライン化に伴い、発券システムにまつわるSEや運用管理・保守の求人数が増えた。また、オフィスワーク・事務系では、訪日外国人の増加に伴い、ホテルや小売店で通訳の需要が高まり、求人数が増加。いずれの職種も時給が高いため、平均時給の上昇を牽引した。
さらに販売・サービス系では、アパレル系の販売スタッフの求人が増加。コロナ収束に伴い、全国で商業施設が新設される動きがあり、店舗数の増加に向けてスタッフの採用が急務になっている。人手不足を補おうと、派遣社員の時給を上げて人材獲得をする傾向が見られた。
職種別で時給増加率が最高だったのが、IT・エンジニア系で+7.9%、+185円。エリア別でも、全エリアで前年同月比増となり、1位が関東で1739円、+54円、+3.2%。2位に関西(1506円、+61円、+4.2%)、3位に東海(1436円、+4円、+0.3%)と続き、最も増加率が高かったのは、関西だった。
「エン派遣」サービス責任者の小用 秀明氏は、今後もコロナ収束に伴う動きは職種を超えて強まっていく見込みだと説明。「全国で花火大会や音楽フェスなど、2019年以来の大型イベント開催が予定されています。運営スタッフの求人も多数登場する予想で、人手不足の昨今、職種を超えて採用難度が上昇しているため、時給の相場も上昇していく見通しです」と見解を述べた。
帝国データバンクの調べによると、4月に人手不足に陥っている企業は正社員で51.4%、非正社員で30.7%だった。業種別では「飲食店」(85.2%)がトップで、「旅館・ホテル」(78%)が続いたほか、小売業やサービス業など個人向け業種が上位に目立った。アフターコロナに向け、人材の争奪戦は激しさを増すばかりだ。
参考)帝国データバンク|人手不足に対する企業の動向調査(2023 年 4 月)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230502.pdf
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