経済・社会

2023.05.20 08:00

デマサイトに広告を表示するGoogleの「責任」

Photo by Nicolas Economou/NurPhoto via Getty Images

ニュースの信頼性を評価するNewsGuardが行った調査で、グーグルのプログラマティック広告を通じて、数十もの非営利団体(NPO)や政府機関の広告が誤情報を掲載するサイトに表示されていたことが判明した。

NewsGuardが欧州委員会に提出した報告書によると、同社が誤情報を掲載していると認定した50のウェブサイトに、57のNPOや政府機関のプログラマティック広告が108件表示されているのが見つかったという。これらの広告は、虚偽や誤解を招く内容の記事の横や、サイト内の他の場所に表示されていたという。

多くの場合、これらの団体や組織は誤情報を掲載するサイトに広告が掲載されていることを認識していなかった。ある例では、プランド・ペアレントフッド(全米家族計画連盟)の広告が、中絶に関する誤情報を伝える記事といっしょに表示されていた。また、別の例では、新型コロナウイルスのワクチンに有害なスパイクタンパク質が含まれているという誤情報を伝える記事に、政府の予防接種プログラムの広告が表示されていた。

さらには、ミシガン州にある保守的なキリスト教系リベラルアーツ大学ヒルズデール・カレッジ(Hillsdale College)の広告が、誤情報を流した5つのサイトに掲載されていた。その1つは、RestoredRepublic.coが公開した記事で、元大統領候補のヒラリー・クリントンがグアンタナモ湾にある米軍基地で2018年12月31日21時05分に死亡したと主張するものだった。

同様に影響を受けた国境なき医師団やフランクリン大学などは、今後これらのウェブサイトを禁止リストに追加するとしている。これらの広告は、グーグルやThe Trade Deskなど、アルゴリズムやオークションを通じてオンラインユーザーにハイパーターゲティング広告を配信するプラットフォームで見つかった。配信地域は、米国や英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリア、オランダ、ニュージーランドの9カ国に及んだ。

NewsGuardが確認した非営利団体や政府機関の広告の70%以上は、グーグルが配信したもので、多くの保健機関や米国の大学が影響を受けたとされる。ロシア・ウクライナ戦争で難民支援などの人道援助を行う非営利団体の一部は、ロシアによる残虐行為がデマだと主張するようなディスインフォメーション(偽情報)を掲載するサイトに資金援助をする結果となっている。

年間26億ドルを稼ぐ誤情報サイト

コムスコアとNewsGuardが2021年8月に公表したレポートによると、誤情報サイトはプログラマティック広告を通じて大手ブランドから年間26億ドル(約3570億円)を稼いでいるという。

グーグルは、レポートに記された事例のいくつかを確認し、嘘の健康情報をなど、規約に違反する有害コンテンツが見つかったウェブページから広告を削除したとしている。

グーグルの広報担当者は、次のように述べた。「我々は近年、選挙に関する虚偽の主張や気候変動の否定、新型コロナパンデミックなどの健康問題に関する主張を対象とした規約の策定など、当社のプラットフォーム上で誤情報の横に広告が表示されるのを阻止するための対策を講じてきた。我々は、ウクライナ戦争に関する有害コンテンツにも対応するため、規約の範囲を拡大した。我々は、パブリッシャーネットワークの全サイトを定期的に監視し、規約に違反するコンテンツを発見した場合は、ただちに広告の配信を停止している」

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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