起業家

2023.05.25

インスタ創業者が出会った、スタンフォード「倍率10倍」のプログラム

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なぜスタンフォード大学から優れた起業家が生まれるのか──。
 
本連載では、今年4月まで現地で1年間スタートアップ・エコシステム調査を行ってきた芦澤美智子が、その内部の実態を探りお届けしていきます。

スタンフォードには、20人以下の選抜された学生だけが履修できる単位プログラムがいくつか存在します。その倍率はどれも10倍を超えるといいます。スタンフォードの合格率は4%とされ、世界中から精鋭が集まっていますが、フェローシップ(特別選抜学生)プログラムは、そのなかでも精鋭が集まります。

今回は、1996年設立され、25年以上の歴史ある「メイフィールドフェロープログラム」に選ばれた4年生の女子学生、ジェシカ・ヤンさんに話を聞きました。


教授がエンジェル投資家になることも

──学校ではどのような活動をしているのでしょうか

スタンフォード大学の学部4年生で、サステナビリティに関する分野を勉強しています。3つのクラブ活動に参加しましたが、一番力を入れたのが、ASES(エーセス:同大最大の起業クラブ)です。私は昨年代表を務めました。ASESでは、ベンチャーキャピタル入門プログラムを私が中心となって立ち上げました。
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特に、1年生向けの起業ブートキャンプは、これまでの大学生活のなかで最も素晴らしいプログラムだったと思います。基本的には模擬企業を立ち上げて、最後には、学生自らサンドヒル・ロードに立ち並ぶVCに売り込みに行くんです。彼らもまた、スタンフォードの学生に投資するのが目的の一つですから、真剣に話を聞いてくれます。

教授も積極的に支援をしてくれます。「教授が専門としている分野で会社を興そうと思っているのですが」と相談すれば、必要なアドバイスをくれますし、ときには、エンジェル投資家になってくれることもあります。

※サンドヒル・ロード:キャンパスに隣接し、世界の一流VCが密集している地域。アンドリーセン・ホロウィッツ(通称a16z)などがオフィスを構えている。

──ジェシカさんが参加しているフェローシップについて教えてください

スタンフォード大学の工学部に、スタンフォードテクノロジーベンチャープログラム(STVP)があります。STVPは学生の起業支援を行うセンターです。このSTVPの中にフェロープログラムが4つあって、このうち私は2年生の時にメイフィールドフェローに選抜され、プログラムに参加しています(インタビュー実施時)。毎年100人前後の応募の中から12人が選ばれます。

・メイフィールドフェロープログラム(1996年~)
・アクセルリーダーシッププログラム(2014年~)
・スレッシュホールドベンチャーフェロー・プログラム(2015年~)
・ピークフェローズプログラム(2021年~)
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文=芦澤美智子、尾川真一 編集=露原直人

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