ライバルが会社を買い取ると言ってきた。「彼らは、私が女性だから売るだろうと思っただけなのです」と彼女は言う。その代わり、彼女はラックにCEOになるよう頼み、自ら会長に就任した。当時は厳しい時代で、不動産市場の崩壊により、2006年から2009年にかけて売上高は7%減少した。ABCは初めて店舗を閉鎖した。
しかし、2010年に16億ドルでライバルのブラッドコ社を買収。その6年後には、シカゴの建材販売会社L&Wサプライを6億7400万ドルで買収した。
事業の急拡大を続け、ライバルを買収し、店舗数を2倍以上の900店舗に増やした。売上高は2021年に過去最高の150億ドルを記録。全米最大規模の企業に育て上げた。「もう小さな会社ではありません。ケンが生きていた頃の5倍になるんですから」。
2. BOBBI BROWN
1995年、38歳だったブラウンは、自身の名を冠した化粧品ブランドを7450万ドルでエスティ ローダーに売却し、25年間の競業避止義務契約に署名した。同社で22年間働き、「ボビイ・ブラウン」を10億ドルのブランドにまで成長させて退職。2020年10月26日、競業避止義務の期限が切れたその日に、新たな直販化粧品ブランド、ジョーンズロードを立ち上げた。報告によると、2021年に売り上げ2000万ドルを達成し、22年は3倍になる見込みだ。
3. KRIS JENNER
総計10億人のフォロワーを誇るキム、クロエ、コートニー、ケンダル、カイリーのカーダシアン家。いまではジーンズから化粧品、スキンケア、飲料など、さまざまな事業を展開する「帝国」だが、カーダシアン家の名を世間に知らしめたリアリティ番組は、母親のクリスが51歳のときに始めたものだった。
クリスはすべての事業から10%の分配を受け、各社の役員に就任している。自分の化粧品会社のほか、投資ファンドSKKY Partnersも設立した。