しかし、20年前も今も次の20年でも、最も必要だと思われるビジネススキルは変わらないことが、リンクトイン(LinkedIn)の調査で明らかになった。同社は創業20周年を記念し、4月6日から10日にかけて、日本国内の18歳から65歳の働く人約1000人を対象に、仕事観に関する意識調査を実施。
AI等のテクノロジーが進化する中、これからの20年で変わらないと思う仕事について聞くと、最多が「人脈を活かす仕事」(40.9%)で、「コミュニケーション能力が必要な仕事」(39.6%)、「創造性を必要とする仕事」(29.1%)が続いた。
続けてビジネスパーソンとして、今これから身につけたいスキルを尋ねたところ、1位「コミュニケーションスキル」(35.3%)、2位「問題解決力」、3位「思考力(ロジカルシンキングなど)」(いずれも21.4%)という結果に。今後20年間で必要とされるスキルのTOP3も、1位は「コミュニケーションスキル」(49.8%)で、2位「リーダーシップ・人材マネジメントスキル」(26.1%)、3位「問題解決力」(23.7%)となった。
40代から60代に「20年前に身につけたいと思っていたスキル」についても聞くと、こちらも1位は「コミュニケーションスキル」(30.6%)で、2位「問題解決力」(21.2%)、3位「外国語の語学スキル」(20.4%)の順に。20年前も現在も今後の20年においても、重要スキルの1位は、一貫して「コミュニケーションスキル」だった。
さらに、20年前と比べ日本の企業カルチャーに変化を感じているかを聞くと、78.4%が「感じている」と回答。具体的な変化としては、最多が「長時間労働が当たり前だという価値観が薄れてきた」(45.8%)で、次いで「ワークライフバランスが重視されるようになった」(40.4%)、「休暇を取ることが柔軟になった」(39.0%)となり、中でも生活への変化を大きく感じている様子がうかがえた。
続いて全年代に、現在のワークとライフの優先順位を質問すると、全体では1位「家庭」、2位「趣味」、3位「仕事」、4位「スキルアップ」の結果に。 現在の20代は1位「家庭」、2位「趣味」、3位「仕事」、4位「スキルアップ」であるのに対し、40代から60代に20年前の優先順位を聞いたところ、1位「仕事」、2位「趣味」、3位「家庭」、4位「スキルアップ」となり、この20年間で仕事優先から家庭優先へと価値観が大きく変化していることが明らかになった。
一方で、女性が管理職に就いている企業に勤めている割合は半数(51.7%)で、管理職における女性の比率は24.8%にとどまった。女性管理職が少ない理由については、1位「慣習的に、男性の方が評価されやすい(女性差別がある)から」(36.8%)、2位「妊娠や育児などを危惧して女性自身が昇進を望まないから」(33.5%)、3位「管理職は男性が担うものだと思われているから」(23.6%)という順に。
この20年間で、働く人の価値観が家庭優先へと変わり、企業にもポジティブな影響を与えているものの、女性の活躍推進については、制度面をはじめ慣習や意識など、様々な改革の必要性があることが浮き彫りになった。
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