この作業が完了した後、デイトナ・プロトタイプは2015年2月から2016年3月までフェラーリ美術館に展示されたが、これは最高の名誉である。またさらに、同年末にオランダのコンクール・デレガンス・パレイス・ヘット・ルー・アペルドールンでベスト・オブ・ショーの栄誉を獲得した。そして#10287は、ベスト・オブ・ショー受賞後、2017年のズート・コンクール・デレガンスと、MECC マーストリヒト インタークラシックスというオランダのフェラーリ70年を祝う特別展で、さらに2回展示された。
それ以来、#10287はめったに姿を現さない。レストア時にこの車のエンジンとメカニカルワークを担当したフォルツァ・サービスが常に世話をしており、走行状態は完璧で、直近では今年の3月に同社で整備を受けたそうだ。レストア完了後、約1000kmの走行が行われ、デイトナ・プロトタイプは適切に走り込み、ベスト・オブ・ショーの栄誉にふさわしいパフォーマンスで、公道でもその独特のスピード感を楽しむことができる。
また、ジャッキ付きのツールキット、レストア時の写真を含むヒストリーファイル、クラシケバインダー、フェラーリ博物館からの証明書、以前のカリフォルニアナンバープレートと複製されたローマのナンバープレートも付属する。
#10287は、275GTB/4と365GTB/4というフェラーリの最も重要な2つのモデルのちょうど真ん中に位置しているモデルだ。メカニカルな面でもデザインの面でも、この2つのモデルの中間的な存在であることは一目瞭然だ。ワンオフのパワーユニットと、標準生産された275GTB/4と365GTB/4の要素を反映したスタイリングが組み合わされたこのモデルは、両車の魅力を最大限に引き出した、独自のストーリーを持つモデルである。
レストアの完了後、ごく限られたイベントでのみ公開され、フェラーリの歴史におけるその魅力的な位置づけからも、世界的に有名な数々のイベントで歓迎されることは間違いないだろう。#10287の重要性は計り知れず、世界中のフェラーリコレクションのハイライトとなるのは間違いない。