宇宙

2023.05.20

NASA、新たな月面プロジェクトに向けて5つの研究チームに資金提供

有人月面探査の想像図(NASA)

NASAは、月に関するさまざまな科学研究で協力する研究チーム5組を選出した。それぞれのチームは、5年間にわたりおよそ750万ドル(約10億円)の補助金を受けとる。

この財政支援は、NASAのScience Mission Directorate(科学ミッション本部)およびExploration Systems Development Mission Directorate(探査システム開発ミッション本部)が共同で拠出する。焦点は、月の科学と資料分析によって、NASAのアルテミス計画における人間とロボットによる探査および商業月面輸送サービスを推進することにある。取り組みには、米国および海外のパートナーとの共同作業も含まれる予定だ。新たな5チームは、2019年に選ばれた現在進行中の太陽系探査に関する研究バーチャル研究所(SSERVI)8チームに合流する。

「探査と科学は根本的に強く結びついているので、SSERVIは引き続きこれらの共同体制を強化していきます」とNASAの探査システム開発ミッション本部のチーフ探査科学者ジェイコブ・ブリーチャーはいう。「新しい5チームがもたらす豊富な専門知識は、私たちが月環境の理解を深め、人間とロボットによる月探査の準備を進めてアルテミスが持ち帰る科学的成果を最大限にするのに役立つでしょう」

新たなSSERVIチームは、当初の14件の提案の中から相互評価によって選ばれた。各チームとプロジェクトに関するNASAの説明は以下のとおりだ。

・月の構造、組成および探査のためのプロセス(LunaSCOPE)は、ロードアイランド州プロビデンスにあるブラウン大学のアレクサンダー・エバンスが率いる。チームは、月のマグマ海の進化、宿命、結末および揮発物質の起源、存在量、分布および同位体組成を調べる
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翻訳=高橋信夫

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