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2023.05.17 12:00

OpenAIのアルトマンCEO、AIの監視機関と「免許制」導入を提案

OpenAIのサム・アルトマン CEO(Getty images)

OpenAIのサム・アルトマン CEOをはじめとする人工知能(AI)業界のリーダーたちは5月16日、米議会の公聴会で証言し、規制強化への支持を表明した。

アルトマンは、AIが社会の潜在的な脅威になり得ると主張し、その悪影響を防止・軽減するためには政府による規制介入が「重要」であると付け加えた。

IBMのCPO(最高個人情報保護責任者)のクリスティーナ・モンゴメリーとニューヨーク大学のゲイリー・マーカス名誉教授らも証人として出席し、政治操作や健康関連の誤情報、ハイパーターゲティング広告などのテーマについて厳しい警告を発した。

マーカス教授は、AI開発に追いつくために内閣レベルの組織を作ってほしいと述べ、AIの監視は米食品医薬品局(FDA)の安全審査と同様な形で実施できると付け加えた。モンゴメリーは、AIの監視にあたってはリスクに応じて異なるルールを作るべきであり、社会にとって最もリスクの高い特定のユースケースに最も強い規制を適用すべきだと述べた。

アルトマンは、AI技術のライセンス発行を専門に行う新たな連邦機関の設立を求め、企業が安全基準に従わない場合は、そのライセンスを取り消すべきだと述べた。

民主党のディック・ダービン上院議員は、業界リーダーからの規制の要請が「歴史的なことだ」と述べ、「企業の代表者が我々の前に現れ、規制してほしいと懇願した事例は記憶にない」と付け加えた。

アルトマンは、Tesla(テスラ)のイーロン・マスクや、ピーター・ティール、LinkedIn(リンクトイン)共同創業者のリード・ホフマンらと共に、2015年にOpenAIを共同創業した。同社は非営利団体としてスタートし、2019年に100倍のリターンを超える利益を制限する「キャップ制」の営利企業に移行した。

OpenAIはその後、大規模言語モデルの「GPT-4」や、オリジナル画像を生成できるディープラーニングモデルの「DALL-E」を発表した。昨年11月に同社がリリースしたChatGPTは、史上最速で1億人のアクティブユーザー数を達成していた。また、Google(グーグル)もChatGPTの競合と目される会話型AIの「Bard」を開発し、検索エンジンに組み込もうとしている

企業が規制を求める珍しい事例

一方でAIテクノロジーの発展には、プライバシーや雇用、選挙に与える影響が懸念され、大きな注目を集めている。MIT Center for Deployable Machine Learningのディレクターのアレクサンダー・マンドリは、Forbes(フォーブス)の取材に、「現状の法律の一部もAIに適用可能ではあるが、明確なAIの法律は不足しており、16日に行われたような公聴会は将来のガイドラインの策定にとって重要だ」と指摘した。

Apple(アップル)やAmazon(アマゾン)、Meta(メタ)などのテック企業はこれまで、規制の介入に強く抵抗してきた。ウォールストリート・ジャーナルによると、テック業界は2021年初頭から2022年末にかけて、議会での反トラスト(独占禁止法)対策やその他の法案と戦うことを目的とした広告に1億ドル(約136億円)以上を費やしてきた。

注目すべきは、規制の推進派の主張を議会に届ける企業は、OpenAIが初めてではないことだ。メタCEOのマーク・ザッカーバーグは、同社がFacebook(フェイスブック)として知られていた2020年に、ユーザーが投稿したコンテンツに対するプラットフォーマーの免責事項を定めた法律の「セクション230」を改正し、企業は「違法コンテンツの取り締まりについて説明責任を負うべきだ」と主張した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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