鉄道の利用は、環境に配慮した旅行者にとっての選択肢となっていて、新たな調査によれば、費用面でも効果的な選択肢となり得る。
また、鉄道を利用すれば、空港での遅延や夏の旅行ラッシュを避けることができる。
では飛行機よりも財布に優しくなるかもしれないヨーロッパ各地の鉄道路線を紹介しよう。
寝台列車の旅で節約
Which? Travelが行った新しい調査によれば、ヨーロッパでは、家族連れやグループでの移動時には、短距離の航空券を買うよりも寝台列車を利用した方が費用を抑えられることが明らかになった。調査では、たとえば4人家族で寝台を利用した場合、ほぼ100ポンド(約1万7000円)、大家族の場合は250ポンド(約4万3000円)以上の節約になることが判明している。
格安バケーションのために予約したい寝台列車ルート
Which? Travelは、ヨーロッパ内で、8月の第1週にパリからウィーン、ブリュッセルからウィーン、ロンドンからベルリンへ移動する路線で、最も安価なプライベートコンパートメントと、最も手頃な価格のフライトと宿泊費を比較した。航空券は一見安く見えるが、ホテルでの追加宿泊代金や荷物料金などを考慮すると、必ずしも節約になるとは限らないのだ。
パリからウィーン、ブリュッセルからウィーンへの寝台列車サービスは、ヨーロッパ最大の寝台列車会社ナイトジェット(Nightjet)ネットワークに属している。
これら2路線については、カップルのチケットは飛行機より安いわけではない。しかし、2人から4人の子どもと旅行する場合は、鉄道を選ぶと節約になる。
「4人のグループなら94ポンド(約1万6000円)、もっと大きなグループなら267ポンド(約4万5000円)ものの節約になります」とWhich? Travelはいう。
ロンドンからベルリンへの寝台サービスは5月25日に開始されるが、こちらはヨーロピアンスリーパー(European Sleeper)が運営する。このルートのチケットは、同等のフライトとホテル1泊の宿泊に比べ、若干割高になっている。
英国では、グレート・ウェスタン・レールウェイ(GWR)のナイト・リヴィエラ(Night Riviera、ロンドン・パディントンからペンザンスへ)と、カレドニアン・エクスプレス(Caledonian Express、ロンドン・ユーストンからハイランズへ)の価格が分析された。
コーンウォールの寝台列車は飛行機とほぼ同額だが、イギリスのレイルカードを使えば50ポンド(約8500円)ほど節約できる。
名高い豪華なカレドニアン・スリーパーは、2人で飛行機に乗るよりも費用がかかるし、4人から6人の家族でも同じような額を支払うことになる。
Which? Travelの編集長であるローリー・ボーランドは、鉄道サービスの価格がまだ多くの休暇者の予算を超えていることは認めた。
彼は「ヨーロッパ全土で新たな寝台列車の路線が開設されたものの、多くの旅行者にとっては運賃が高すぎます」という。
「私たちの調査によると、1人旅やカップルが飛行機ではなく鉄道を選ぶと、かなり高い金額を支払わなければならないことがわかりました。でも、列のコンパートメントを共有できる家族や大きなグループなら、節約できることがわかったのは良いことです」
(forbes.com 原文)