アジア

2023.05.17

中国、78歳米国籍男性にスパイ罪で無期懲役

Gil C / Shutterstock.com

中国の裁判所は15日、78歳の米国籍男性に対し、スパイ罪で終身刑を言い渡した。米中の関係が悪化する中、中国政府の徹底したスパイ活動の取り締まりの標的になる外国人や組織が増えている。

中国・蘇州の裁判所はSNSへの投稿で、梁成運(John Shing-Wan Leung)被告に対してスパイ罪で無期懲役の判決を下したと発表した。

裁判所によると、米国籍と香港の永住権を持つ梁は、2021年4月に蘇州で国家情報当局により身柄を拘束された。罪状の詳細は公表されていない。今回の事件が梁の米国籍と関連したものなのかや、米中関係に影響を与え得るものなのかは不明だ。

梁は無期懲役に加え、50万元(約980万円)の財産を没収され、生涯にわたり参政権を剥奪された。CNNによると、北京の米国大使館は、判決については把握しているとした上で、「プライバシーへの配慮」のためそれ以上のコメントは控えたという。

習近平国家主席が国家安全保障上の懸念から導入した反スパイ法は、以前から広範囲に渡っていた中国政府の制限を拡大したもので、外国企業や学術機関の活動を萎縮させている。

ここ数カ月で、中国に拠点を置く米国のコンサルタント会社や会計事務所が当局の捜査対象となる事態も相次いでいる。米中関係はこのところ、米国領土に中国製のスパイ気球が侵入したとの疑惑や、ロシアのウクライナ侵攻に対する中国の立場をめぐり悪化の一途をたどっている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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