同社は2020年から、企業別、職種別、スキル別にエンジニアの年収データが閲覧できるサービスを運営している。サイト上でエンジニアが自身の給与などを入力することで、平均年収や中央値がリアルタイムで更新される仕組み。DeNAやサイバーエージェント、メルカリなど、メガベンチャーと呼ばれる企業に所属する人からの登録も多数ある。
当初はエンジニア向けに事業を始めたが、適切な報酬決定をしたいという法人の登録やデータ参照があったことから、新サービス開発に至ったという。エンジニアに限らず、複数の職種に対応する。
機能は次の3つだ。
1. 給与の適正調査
IT企業のリアルタイム給与相場データを閲覧できる。従業員の年俸や昇給率が、相場と比較して過大か過小か適正かを分析しレポート。
2. 評価制度の構築・管理
スタートアップから上場企業までの評価制度事例や、150社以上のケースをもとにしたフレームワークから、自社にフィットする制度を構築。
3. 評価制度の運用
制度に照らし合わせて適切な評価が行えるよう、「期初の目標設定→期末評価→報酬の決定→フィードバック」までの評価プロセスを組織に実装。
代表の田川啓介(たがわ・けいすけ)氏は、新サービスの強みを次のように説明する。
「現状、企業の評価制度設計はコンサルティングに依頼するケースが多いです。しかし、人材流動性が高まるなかでは、職種ごとの報酬の相場は変動しやすくなり、コンサルに評価制度を再設計してもらうのには時間がかかる。人材を取り逃がしてしまうかもしれません。私たちはそれをSaaSで提供するので、リアルタイムに更新できます」
田川氏はDeNAでHR本部長を務めた過去を持つ
「HR(人事、採用、労務)テック」で先行する米国では、すでに評価や報酬決定に至る部分をカバーするサービスが誕生している。
田川氏は、「日本でも、採用や労務の効率化などHRテックサービスが充実してきたので、今後代替されるのは、現状エクセルなどで管理されている報酬決定の部分」とコメントした。