まだ事業を続けているものの、うまくいっていない企業が倒産し始めた。残念なことに、その時がきたようだ。
Bed Bath & Beyond(ベッド・バス・アンド・ビヨンド)、Tuesday Morning(チューズデー・モーニング)、Party City(パーティ・シティ)、David’s Bridal(デビッドズ・ブライダル)といった小規模ショッピングモールでお馴染みの小売企業がここ数カ月で米連邦破産法第11条の適用を申請した。小売企業の倒産件数は今年、2020年以降で最多となりそうだ。
「これらの企業は以前から問題を抱えていた」と話すのは調査会社GlobalData(グローバルデータ)のマネージングディレクターであるニール・サンダースだ。「倒産するかどうかではなく、いつ倒産するかという問題だった」
一連の倒産はガソリンや食料品、その他の生活必需品が値上がりし、景気後退の可能性がささやかれ続け、大企業が従業員を解雇し、米国人が財布の紐を締めてこれまで以上に金を貯蓄に回し始めた中でのものだ。
消費者支出は国内総生産の3分の2以上を占めていることから注目されている。パンデミック期を乗り越え、消費者の支出はそれまでと異なるさまざまな方向へと向かい、パンデミック初期に需要が集中した家庭用品などの部門からは遠ざかっている。
経済は助けにならず、触媒となっているかもしれない一方で、今、瀬戸際に立っている小売企業は以前から大きな問題を抱えていた。小売支出はある意味では「驚くほど堅調」なままだとサンダースは指摘する。小売企業の倒産の原因は、みすぼらしい店舗や退屈なオンラインショップにあることが多い。
より多くの小売企業が年内に倒産する可能性がある。格付け会社のムーディーズとS&Pグローバルによると、債務不履行の可能性が最も高いとみられる企業はRite Aid(ライト・エイド)、Jo-Ann(ジョアン)、Belk(ベルク)、At Home(アットホーム)、99 Cents Only(99センツ・オンリー)で、家庭用品部門に偏っている。
多くの小売企業はパンデミックによって時間を稼ぐことができた。消費者は景気刺激策で現金が入ったものの休暇や外食、映画などに充てることができず自由に消費した。また、小売企業は低金利で資金を調達することができた。
SageBerry Consulting(セージベリーコンサルティング)の創業者スティーブ・デニスは「コロナにより弱小企業は清算を免れた」と指摘した。