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2023.05.16

「起業に最適な国」2023年版、トップ10は欧州が独占

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欧州への移住を検討してきた人たちは、今こそそれを実行に移すべきときかもしれない。欧州連合(EU)加盟国はその多くが、デジタルノマドビザの発給やリモートワークの推進に力を入れている。そして、欧州ではその他の各国も、起業に理想的な環境を提供している。

AI(人工知能)を活用し、スタートアップに必要な情報を提供するスウェーデンのビジネスネームジェネレーター(Business Name Generator)が世界の50カ国を対象に実施した調査によると「起業に適した国」のトップ10に入ったのは、いずれも欧州の国だった。

以下、法人税、経済成長率、コストなどの経済的要因、従業員の幸福度や生活の質(QOL)などの社会的要因なに基づいて割り出された上位10カ国のうち、特に注目すべき点がある5カ国を紹介する。

・チェコ共和国
起業コストは1人あたりGNI(国民総所得)のわずか1.1%。チェコ共和国はこれから起業しようとする人にとってコスト面でのメリットが大きい国だ。スタートアップの法人税は、19%に抑えられている。

QOLや幸福度でみたチェコの順位は、それほど高くはない。ただ、1カ月あたりの平均的な生活費(家賃を除く)は743ドル(約10万円)。平均1820ドルの月給は、悪くはない金額といえるだろう。

・フィンランド
チェコに続いて2位につけたのは、今年も「世界一幸福な国」ランキングで1位につけたフィンランド。20%という低率の法人税と平均4550ドルという高額の月給が、高順位の結果につながっている。フィンランドは幸福度のほか、QOLでも高いスコアを獲得している。

・オランダ
オランダでは、起業にかかる費用は1人あたりGNIの4%と高めの水準。法人税は25.8%で、この項目でのランキングでは7位だった。だが、QOLのスコアではトップ。さらに月給は平均3943ドルと、魅力的な金額だ。従業員の幸福度も、高スコアとなっている。

・デンマーク
「働く国は、高収入であることを第一に考えて選びたい」という人にとって、移住先はデンマークが最適かもしれない。月給は平均5965ドルで、欧州トップクラスだ。起業コストも非常に低く、1人当たりGNIの0.2%。QOLのランキングは2位。ただ、1カ月あたりの生活費は1107ドルと高額になっている。

・英国
英国での起業には、会社設立の費用がゼロ、法人税率が19%というメリットがある。ランキングで6位にとどまったのは、QOLのスコアと従業員の幸福度が低いことが主な要因だ。

ランキング

起業に最適の国ランキングの上位に入った10カ国は、以下のとおり。

1. チェコ共和国
2. フィンランド
3. スウェーデン
4. エストニア
5. スロバキア
6. 英国
7. オランダ
8. オーストリア
9. デンマーク
10. ポルトガル

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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