真実、アイデンティティ、価値といった古来からある概念を問うことが、人々を居心地悪くさせはじめています。
このような状況を、ただ黙って怖がっていてはいけません。なぜなら、恐怖は論理を覆すからです。大学で教育を受けた知的な人たちも、恐怖の状態にあるときは論理的に考えることができません。独裁者や政治家は、恐怖に飲まれた人間は簡単に操られることをよく知っています。
教養があり、本を読み、家族を愛する人が、政治家のあからさまな嘘を見分けられず、経験的な証拠を前にしても「フェイクニュース」として拒絶するのは、論理的な言説が通じないということです。コンピューターのロジックボードにコカ・コーラをかけるようなものです。つまりゲームオーバーなんです。
現在の世界の苦悩の多くを解決する真の方法を考えるなら、大衆の中にある恐怖に対処する方法を見つけることだと私は思います。私の仕事の多くは、これに関連しています。私たちは不合理な恐怖に支配されており、一度恐怖に支配されたら終わりであることを認識することが大事です。
甘ったるく聞こえるかもしれませんが、恐怖に対する唯一の解毒剤は愛です。その意味で、世界を救うためには、アーティストや哲学者が不可欠だと思いますし、AIと一緒に未来を切り開くためにも、アーティストや哲学者が不可欠だと思います。
真実とは何ですか? それは、自分自身であり、自分を表現すること。これが真実です。