アート

2023.05.31

アートとテクノロジーの錬金術師、ケヴィン・アヴォッシュ

ケヴィン・アヴォッシュ

もう一つ覚えておくべきことは、写真が登場する前、画家たちは真実の独占権を持っていました。鑑賞者は写実絵画から真実を得ていました。それが写真家たちの登場により、シャッター一つで真実が伝えられるようになりました。ですが、皆様御存知のように、写真も嘘を付きます。写真はレタッチ可能で、写真のすべてが真実ではありません。ですが、今、写真家たちはMidjourneyやDALL-Eを見て、「それは嘘だ」と言っています。本当にそうでしょうか?私は、AIが生成する合成写真は真実に溢れており、写真よりも真実味があるのではないかと思っています。

私が一番興奮していることは以上です。実は、今日お話した技術の影響を大きく受けて、「真実の本質」をテーマにした映画を制作しています。2024年に公開できるように考えております。

真実を追うアーティスト、ケヴィン・アボッシュ

──最後にケヴィンに「真実とはなにか?」聞いた。

真実は人や状況によって変わります。

イスラム教では「物語には3つの側面がある」と言われています。自分の側、相手の側、そして真実がある、と。

真実について私が興味を持ったのは、真実は生存の問題であるということです。真実がない場合、おそらく私たちはより脆弱になるのでしょう。

私たちは、"真実は存在する "と信じて育ってきました。"この新聞は信頼できる" 、”このニュースには真実がある "と。しかし、私たちは、かつて信頼できると考えていた人々や組織が、思ったほど信頼できないことに気づき始めています。
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