「このAIは、そんなことをするようプログラムされてはいない。暴走しているようだ。私とチームは24時間体制で再発防止に取り組んでいる」とマージョリーはニュースサイトInsider(インサイダー)に語った。
マージョリーには直接取材できなかったが、マイヤーはX指定(成人指定)相当の会話があったことを認めた。現在、PG(保護者の助言が必要)またはPG-13(13歳未満は保護者の厳重な注意が必要)のみのバージョンを制作中で、最終テスト段階に入っているとしている。
全速前進するAIコンパニオン開発
Forever Voicesは現在、OpenAI(オープンAI)のGPT-4 APIを通じてファンが有名人の話し方や口調をコピーしたボットとチャットできるシステムをテストしており、最近では自身の音楽を使ってディープフェイクを作成するようファンに呼びかけたカナダ出身の歌手グライムスとも協力している。同社以外にも、作家のディーパック・チョプラをはじめ数々の有名人が自分のAIを作成しようと試みているが、成功の度合いはまちまちだ。
また、AI大手もこの分野に参入している。グーグル傘下のAI企業DeepMind(ディープマインド)共同創業者のムスタファ・スレイマンと、ビジネス特化型SNSのLinkedIn(リンクトイン)共同創業者のリード・ホフマンが設立したInflection AI(インフレクションAI)は、この1年間に2億2500万ドル(約305億円)を調達し、AIコンパニオン「Pi」向けに世界最大級の言語モデルを作成した。ホフマンはChatGPTの親会社であるOpenAIの共同創業者でもあるが、利益相反が生じる可能性があるとして最近、同社取締役を辞任している。
AIコンパニオンが人間に取って代わることへの懸念も高まっている。スレイマンは5月9日にサンフランシスコで開催されたビジネス会議「GICブリッジフォーラム」で講演した際、今後5~10年以内にホワイトカラーの労働者が生成AIに仕事を奪われることになると警鐘を鳴らした。今年3月に米金融大手Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が発表した報告書は、自動化によって世界で3億人のフルタイム雇用に相当する仕事が失われるとしている。
(forbes.com 原文)