VUCAの時代、終身雇用や年功序列の制度が揺らぐなか、キャリアの自律が叫ばれている。キャリアを会社に依存せず、主体的に形成していこうとする姿勢は、学生時代に何らかのキャリア教育を受けてきたZ世代の学生たちにも広がっている。
新卒採用事業を手がける学情が4月、2025年卒業予定の学生514名に実施した調査では、「キャリア形成」について「自身で主体的に選択したい」(29.8%)、「どちらかと言えば自身で主体的に選択したい」(34.4%)と回答した学生が、6割超(64.2%)に上る結果に。「就職する企業に委ねたい」「どちらかと言えば就職する企業に委ねたい」と回答した学生(15.6%)の4倍を超えた。
学生からは「やりたいことや、身に付けたいスキルから逆算して、キャリアを形成したい」「多様な働き方があるので、その時々の自身の関心や優先度に応じてキャリアを築いていきたい」「1社で働き続けるか分からないので、どこに行っても通用するスキルを身に付けたい」などの意見が寄せられた。
また、従来のメンバーシップ型採用に代わり導入が進むジョブ型採用については、「興味がある」(44.6%)「どちらかと言えば興味がある」(36.8%)と答えた学生が合わせて約8割(81.4%)に。前年同時期の調査を13.8ポイント上回り、学生の間でジョブ型採用への関心が高まっていることが分かった。
学生からは「ジョブ型のほうが専門性を磨くことができると思う」「配属部署や仕事内容が明確だと、希望するキャリアを築きやすいと思う」などといった声が。さらに、ジョブ型のインターンシップに「参加したい」と答えた学生は、8割近く(78.8%)を占めた(参加したい:40.9%、どちらかと言えば参加したい:37.9%)。
近年、企業でもキャリアの自律に加え、内定辞退・入社後のミスマッチ防止策などの観点から、新卒向けにジョブ型採用を取り入れる動きが広がっている。優秀な新卒人材を確保するためにも、また、時代の変化に対応するためにも、その動きは加速していくはずだ。