試合後の取材エリア。興梠はACLの激闘から中3日で迎えた鳥栖戦を振り返った。
「ACLでみんな出し切ってきつかったと思うけど、相手も(J1リーグ戦から)中2日での試合だったから言い訳はできない。今日の試合の大切さはみんなわかっていたし、もちろん手を抜いたわけじゃないけど、強いチームならばこういった悪条件でも戦うときがたくさんある。一生懸命戦った結果なので仕方が……仕方がないと言ったら終わりなんですけど、こういうところで勝っていかなければ上へは行けない」
興梠は出場30分余で、3本のシュートを放った。それでも期待に応えられなかった不甲斐なさに、「今日みたいな敗戦は二度とないように、ここからまた連勝していけるように頑張りたい」と静かな口調で鼓舞した。
ACLを含めた公式戦における浦和の連続無敗記録は「13」で途切れた。しかし、シーズンは序盤戦を終えたばかりであり、J1リーグ戦においてはまだ3分の2以上も残っている。
さらに頼れる背中と濃密な経験を介してピッチの内外でリーダーシップを発揮し、自身が先発した試合では7勝3分けと不敗を継続している興梠の心技体はまだまだ充実している。今シーズンが最後かもしれないなんてとんでもない。男と男の約束に導かれたベテランの復活ストーリーは、ようやくプロローグを終えたばかりだ。