メキシコとの国境沿いの街であるテキサス州のラレドのビクター・トレビノ市長は、CNNに対し「ハリケーンが来る」ことに備えていると語った。先月は州の非常事態を宣言した市長は、ラレドには国境を越える移民を助けるための「財源」がないと述べ、国境で亡命を求める移民を阻止するパンデミック時代の規制が解除されると「嵐が来るのが見える」と付け加えた。
エルパソのオスカー・リーザー市長も、すでに非常事態を宣言しており、タイトル42が失効した後に、膨大な数の移民がやってくることに備えていると語った。
バイデン大統領は9日、タイトル42が解除された後、南部の国境がしばらく混乱することを示唆したが「ホワイトハウスは、国境を人道的に管理するための複数の機関の計画を持っている」と述べた。
バイデン政権は先週、国境に1500人の軍隊を派遣して国境警備隊員を支援すると発表したが、CNNによると、10日時点ですでに600人近くが到着している。
国土安全保障省(DHS)のアレハンドロ・マヨルカス長官は、同省が「国境の警備にあたる人員を急増させている」と述べ「タイトル42の失効は国境が開かれたことを意味しない。不法に国境を越えた人々は、厳しい結果に直面することになる」と付け加えた。
トランプ前大統領の主導で2020年に施行されたタイトル42は、米国がメキシコとカナダの国境で、避難を求める人々を含む移民の入国を拒否することを可能にした。この規制は、1944年に制定された公衆衛生法の条項で、政府が病気の蔓延を防ぐために緊急措置を取ることを認めている。バイデン大統領は2022年4月にタイトル42を解除しようとしたが、連邦判事は、規制を解除すれば国民に「重大な脅威」をもたらすと主張していた。
その後、連邦地裁は11月にこの規制が「恣意的かつ気まぐれ」であると判断し、バイデン政権に解除を許可した。
(forbes.com 原文)