食&酒

2023.05.14

葉山のひじきワークショップに見る環境活動の理想形

採れたひじきは真水で洗い、魚港にある鉄釜で茹でる。

この「葉山ひじきデー2023」は、ただの子供たち向けワークショップでも、大人向けの環境活動でもなく、新しい可能性に満ちたイベントである。

現場にて遊びながら身体性を伴った学びを得て、独自のストーリー性のある美味しい料理をいただき、大人と子供が一緒になって楽しく勉強する。それが繋がりを生み出し、素晴らしいアクションに発展していく。町や企業の協力なども含め、まさに未来の環境を良くするための理想的な方法を示唆している。
右から「葉山ひじきデー2023」実行委員会の山木克則(海藻研究者・葉山アマモ協議会)、武藤由紀(フリーダイバー、リトルブルー主催)、長久保晶(漁師)、生江史伸(シェフ)

右から「葉山ひじきデー2023」実行委員会の山木克則(海藻研究者・葉山アマモ協議会)、武藤由紀(フリーダイバー、リトルブルー主催)、長久保晶(漁師)、生江史伸(シェフ)


企業がカーボンニュートラルに力を入れたり、行政やアクティビストが環境に関するカンファレンスを開いたり、社会全体でシングルユースのプラスチックゴミを減らすことなどももちろん大事だ。

それらに加えて「葉山ひじきデー2023」のように、子供も大人も思いっきり遊んで、自然の素晴らしさを体感し、楽しく&美味しく学びを得たり、小さくとも地に足のついたアクションへ繋げていくような活動に、もっと注目していく必要があるのではないだろうか。

葉山アマモ協議会では今後、逗子や鎌倉、横須賀など隣町との連携も視野に入れているという。地域レベルでナレッジの共有が行われれば、さらにインパクトを増すであろう。

このような活動が日本全国で行われ、それらが繋がり、積み重なり、自分たちの生きる環境を少しづつ整えていけば、それこそ想像だにしない大きなウェーブとなり、社会や地球を良い方向に導いていけるのではないかと期待が高まる。
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すべては「人を敬う」ことから 生江史伸シェフが生む良い循環

文=国府田 淳 写真=上山葉

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