モダンで洗練された全245の客室と、昼夜で異なる表情を見せる眺めは最高だ。しかし、ザ・リッツ・カールトン東京を、何にも増して優れたホテルにしているのは、知識豊かなスタッフたちだ。
日本では、長期にわたったコロナ禍の規制が2023年に入って解除され、米国人旅行者が再び大挙して押し寄せている。そこで筆者は、同ホテルのコンシェルジュ小林美紗子氏に、東京の最新スポットや、人気上昇中の地域、知る人ぞ知る名所について尋ねたので、ぜひ参考にしてほしい。筆者はすぐにでも、ここロサンゼルスから東京に飛んでいきたくてうずうずしている。
──東京でいま、最もにぎわっているショッピングエリアや、隠れた新スポットを教えてもらえますか。
渋谷、表参道、原宿は、見ることもやることも盛りだくさんのエリアです。渋谷の宮下公園を中心に2020年7月に開業した「MIYASHITA PARK」と、その前年に開業した、地上229mの屋上から360度の眺めを楽しめる「渋谷スカイ」は、どちらも新しい商業施設で、写真スポットになっています。東京の新旧の対比を楽しみたい方には、原宿と表参道から歩いてすぐの明治神宮がおすすめです。
渋谷は積極的に開発が進んでいますが、中目黒と江東区の清澄白河も、こじんまりとしたショップやレストラン、カフェがたくさんあり、散策には最高です。お花見の時期はもう過ぎましたが、中目黒では毎年3月後半に、目黒川沿いに咲き誇る400本以上の桜の木の下を散歩できます。
カフェ巡りが好きな方には、おしゃれなお店が多いことで有名な清澄白河がおすすめです。ブルーボトルコーヒーが日本初出店した場所でもあります。清澄白河には東京都現代美術館もあり、旅行者が多く訪れています。
──東京と言えば、小石川後楽園や皇居外苑などの庭園が知られていますね。あまり知られていない、おすすめの庭園を教えてもらえますか。
東京には、ぜひとも訪れたい庭園付きの美術館があります。なかでも、南青山にある根津美術館の庭園は、まさに都会のオアシスです。いまのところ、新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環で、日時を指定した事前予約が必要ですが、おかげで混雑することなく、ゆっくり鑑賞することができます。
南青山には、世界的に有名な芸術家・岡本太郎の作品を楽しめる記念館もあります。岡本太郎が42年にわたって暮らした自宅兼アトリエも一般公開されています。他の庭園ほど広くはありませんが、空間を満たす岡本太郎のエネルギーに触れ、その世界観を身近に感じることができます。