ロイターによると、会場から排除された活動家の中には、背中に「ダーティマネー」という文字を描いたトップレスの女性や「End Uyghur Forced Labour(ウイグル人の強制労働をやめろ)」と書かれた横断幕を掲げたメンバーが含まれていた。
VWは、数十万人のウイグル人が拘束され迫害されているとされる中国の新疆ウイグル自治区で、上海汽車工業(SAIC)との合弁工場を運営している。同社の投資家は、合弁パートナーであるSAICが、強制労働に加担していないことを確認するために、工場の独立監査を行うよう同社に要求した。
VWの中国事業の責任者のラルフ・ブラントシュテッターは今年初めに現地の工場を視察したが「人権侵害が起きている証拠は見当たらない」と株主総会で語った。
ロイターが報じた当日の映像には、VWグループ監査役会のハンス・ディーター・ペッチ会長がスピーチ中に、ケーキと思われる物体が投げつけられ、活動家が排除される様子が映っている。
Protesters threw an object at Volkswagen chairman Hans Dieter Poetsch at a shareholder meeting. Poetsch managed to duck in time to avoid being hit by what appeared to be a cake pic.twitter.com/7WxMcMkm9M
— Reuters (@Reuters) May 10, 2023
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は昨年、新疆ウイグル自治区におけるウイグル人の拘束が国際犯罪とみなされ、特に「人道に対する罪」にあたる可能性があると報告した。現地の工場に対する監査の可能性について、VWのブランドシュテッターは、合弁パートナーであるSAICの同意がなければ実施できないと述べた。
アップルやナイキ、Gapなどの企業も、新疆ウイグル自治区との関係で同様の批判にさらされている。オーストラリア戦略政策研究所の2020年の報告書では、これらの企業や他のいくつかの企業が、サプライチェーン内の工場で働くウイグル人から利益を得ていると指摘された。
VWの株価は、過去2年間で約46%下落している。
(forbes.com 原文)