同社の四半期収益と売上高はアナリストの予想を上回ったものの、重要な夏の四半期における「好ましくない」予約総数や、過去2年間で最低の前年比収益成長率を記録するという同社の予測に投資家が反応。ドイツ銀行のアナリスト、リー・ホロウィッツは、予約数の増加への明確な道筋が示されない限り、同社株は圧力を受け続けると予想している。
株価は11%安の113ドルと、約3カ月ぶりの安値を記録。1日の下げ幅は過去最大を記録した。フォーブスの推定によると、共同創業者であるネイサン・ブレチャージク、ブライアン・チェスキー、ジョー・ゲビアは、この株価下落により合わせて約30億ドル(約4000億円)の資産を失った。それぞれの保有資産額はブレチャージクが77億ドル、チェスキーが89億ドル、ゲッビアが73億ドルで、いずれも世界で最も裕福な400人に入っている。
株価は1年余りで50%以上下落
同社の株価は、2021年2月のピーク時の217ドルから50%以上下落しており、下落幅はハイテク株中心のナスダック総合指数(12%)をはるかに上回る。同社は2020~21年のIPOブームの先頭に立っていたが、現在では同社を含む多くの新規上場企業が株主からのプレッシャーにさらされている。フードデリバリーのDoorDash(ドアダッシュ)とソフトウエア会社のSnowflake(スノーフレイク)は上場後、株価がそれぞれ約60%と30%下落している。ただ、資産運用会社アライアンス・バーンスタインのリチャード・クラークが率いるストラテジストチームは、10日の顧客向けメモで、エアビーの株価下落は「過剰反応」だと指摘し、同社の買い格付けと目標株価140ドル(25%の上昇を示唆)を維持。クラークは、同社の「ピークはまだこれから」であり、業績見通しの下方修正は将来の成長に先立つ「短期的な影響」に過ぎないとしている。
今後の展望
チェスキーは今月、急成長している人工知能(AI)分野での野望について、「業界を率先するようなAIインターフェースをデザインしたい」との意気込みをVerge(ヴァージ)に語った。「ユーザーを深く理解し、ユーザーについて学び、ユーザーを気にかけ、ユーザーの好みを理解できるようにしたい」(forbes.com 原文)