米国で増える「EV嫌い」 Z世代の3人に1人が購入ためらう

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人は変化が強制されていると感じた場合、最も強く反発するものだ。そう遠くない昔、米政府が高い燃費基準を設けて、自動車メーカーに小型エンジンを積んだ小型車の生産をさせようとした時もそうだった。当時の消費者はいまと同じように、SUVなど大型車を好んでいることを明確に示した。

燃費を向上させるために自動車業界にコンパクトカーをつくらせようとするのは、肥満症を減らすために衣料品業界にスモールサイズの服しかつくらせないようにするようなものだ──。ゼネラル・モーターズ(GM)のボブ・ラッツ元副会長は講演でよくそう語っていた。

EVへの転換を進める法整備の主な原動力になっているのは環境保護であり、それを重視する消費者が少なからずいることは確かだ。だが、現状を維持する生活のほうが楽で、安定し、余裕をもてるという人にとっては、現状維持が優先となる。

EVやハイブリッド車(HEV)への関心は、燃料価格が過去最高に達した2021年に大きく高まったが、燃料価格が下がったいまはそれほどでもない。一方、EVの価格は下がっていない。それどころかGEは、同社のEVラインアップで最も手の届きやすい価格だった「ボルトEV」と「ボルトEUV」の販売を、年内で終了する。

GEのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)兼会長は昨年末、EVを絶対に検討しない人もいるのではという質問に「それはごく一部でしょう」と答え、EVの主流化が進むにつれて抵抗を示す人は減っていくとの考えを示していた。だが今回のリポートを見る限り、EVへの抵抗は根強く、むしろ強まってきているようだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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